β-ラクタム系抗菌薬はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
メロペネムはカルバペネム系、セフォタキシムはセフェム系に分類され、いずれもβ-ラクタム環を持つβ-ラクタム系抗菌薬です。コリスチンはポリミキシン系、シプロフロキサシンはニューキノロン系、クロラムフェニコールはクロラムフェニコール系に属し、β-ラクタム環は持ちません。したがって、正答はメロペネムとセフォタキシムです。
選択肢ごとの解説
- 1. コリスチンはポリミキシン系抗菌薬であり、細菌の細胞膜に作用して透過性を変化させることで抗菌作用を発揮します。β-ラクタム環を持たないため、β-ラクタム系抗菌薬ではありません。正しくは:ポリミキシン系抗菌薬である。選びやすい理由:多剤耐性グラム陰性菌に対して使用される強力な抗菌薬として知られていますが、その作用機序はβ-ラクタム系とは根本的に異なります。混同注意:他の主要な抗菌薬の系統と混同しやすい。特に、新しい作用機序の薬剤が強力であるという漠然とした印象から誤って選択する可能性があります。
- 2. 正解。メロペネムはカルバペネム系抗菌薬であり、カルバペネム系はβ-ラクタム環を持つβ-ラクタム系抗菌薬に分類されます。細菌の細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。
- 3. 正解。セフォタキシムは第3世代セフェム系抗菌薬であり、セフェム系はβ-ラクタム環を持つβ-ラクタム系抗菌薬に分類されます。細菌の細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。
- 4. シプロフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬であり、細菌のDNAジャイレース(トポイソメラーゼII)およびトポイソメラーゼIVを阻害することでDNA複製を妨げ、抗菌作用を発揮します。β-ラクタム環を持たないため、β-ラクタム系抗菌薬ではありません。正しくは:ニューキノロン系抗菌薬である。選びやすい理由:広範囲の細菌に有効な広域抗菌薬として広く使用されているため、β-ラクタム系と混同されやすいですが、作用機序が異なります。混同注意:DNA合成阻害薬と細胞壁合成阻害薬の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. クロラムフェニコールはクロラムフェニコール系抗菌薬であり、細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。β-ラクタム環を持たないため、β-ラクタム系抗菌薬ではありません。正しくは:タンパク質合成阻害薬である。選びやすい理由:古くから知られている広域抗菌薬であり、その知名度から選択してしまう可能性があります。混同注意:タンパク質合成阻害薬と細胞壁合成阻害薬の区別が不確かな場合に誤って選択しやすいです。
国試ポイント
β-ラクタム系抗菌薬の主要な分類(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系)とその代表的な薬剤名を正確に理解しているか。また、他の作用機序を持つ主要な抗菌薬との明確な区別ができるかが問われます。
混同注意
多くの種類の抗菌薬が存在するため、それぞれの系統名と代表的な薬剤名を混同しやすいです。特に、広域スペクトルを持つ抗菌薬の中にはβ-ラクタム系以外も多いため、作用機序に着目した分類が重要になります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われる可能性のある内容は、特定の疾患や病原菌に対するβ-ラクタム系抗菌薬の選択、またはβ-ラクタム系抗菌薬の副作用や薬物相互作用に関する知識が考えられます。さらに、薬剤耐性菌の出現とそれに対するβ-ラクタム系抗菌薬の位置づけについても問われる可能性があります。
関連知識
β-ラクタム環の構造と、それが細菌の細胞壁合成阻害(ペニシリン結合タンパク質への結合)という作用機序にどのように関与するか。また、β-ラクタマーゼによる耐性機構と、β-ラクタマーゼ阻害薬の役割についても理解しておくことが重要です。