電圧利得20倍の増幅器A1と200倍のA2を直列に接続したときの増幅度として最も近い値[dB]はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
直列に接続された増幅器の総合電圧利得は、それぞれの利得の積で計算されます。つまり、総合利得 = 20 × 200 = 4000倍です。この利得をdB値に変換するには、20log10(利得)の公式を用います。したがって、20log10(4000) = 20 × (log10(4) + log10(1000)) = 20 × (2log10(2) + 3) となります。log10(2)の近似値は0.301なので、20 × (2 × 0.301 + 3) = 20 × (0.602 + 3) = 20 × 3.602 = 72.04 dB。よって、最も近い値は72 dBです。
選択肢ごとの解説
- 1. 全体の増幅度を計算するには、各増幅器の利得をdB値に変換して合算する必要があります。利得20倍は20log10(20) = 20 × 1.301 = 26.02 dB、利得200倍は20log10(200) = 20 × 2.301 = 46.02 dBです。これらを合計すると26.02 + 46.02 = 72.04 dBとなります。30 dBは利得10倍程度に相当し、大幅に過小評価しています。正しくは:20log10(20) + 20log10(200) = 72.04 dB選びやすい理由:計算が面倒な際に適当な数値を選んでしまう可能性があります。また、dB計算の基本的な理解が不足していると、どの選択肢も魅力的に映るかもしれません。混同注意:各増幅器の利得の掛け算をdB値の足し算に変換するルールを混同している可能性があります。
- 2. 全体の増幅度を計算するには、各増幅器の利得をdB値に変換して合算する必要があります。利得20倍は20log10(20) = 26.02 dB、利得200倍は20log10(200) = 46.02 dBです。これらを合計すると72.04 dBとなります。46 dBは利得200倍のdB値のみを考慮しており、利得20倍の増幅器の影響が抜けています。正しくは:20log10(20) + 20log10(200) = 72.04 dB選びやすい理由:利得200倍のdB値が約46 dBとなるため、片方の増幅器のdB値がそのまま正答であるかのように見えてしまう可能性があります。混同注意:直列接続された増幅器の総合利得の計算方法(利得は掛け算、dBは足し算)を混同している可能性があります。
- 3. 全体の増幅度を計算するには、各増幅器の利得をdB値に変換して合算する必要があります。利得20倍は20log10(20) = 26.02 dB、利得200倍は20log10(200) = 46.02 dBです。これらを合計すると72.04 dBとなります。60 dBは利得が1000倍に相当し、今回の総合利得4000倍(20×200)とは異なります。正しくは:20log10(20) + 20log10(200) = 72.04 dB選びやすい理由:20倍と200倍という数字から、単純に20 + 200 = 220と見てしまう、あるいは100倍(40dB)や1000倍(60dB)といったキリの良い数字に誘導されてしまう可能性があります。混同注意:デシベル計算の基本(20log10(倍率))を忘れているか、単純な足し算や掛け算と混同している可能性があります。
- 4. 全体の増幅度を計算するには、各増幅器の利得をdB値に変換して合算する必要があります。利得20倍は20log10(20) = 26.02 dB、利得200倍は20log10(200) = 46.02 dBです。これらを合計すると72.04 dBとなります。66 dBは計算結果とは異なります。正しくは:20log10(20) + 20log10(200) = 72.04 dB選びやすい理由:概算で計算しようとした際に、log10(2)が約0.3であることを利用して、20log10(20) = 20log10(2×10) = 20(log10(2) + log10(10)) = 20(0.3+1) = 26 dB、20log10(200) = 20log10(2×100) = 20(log10(2) + log10(100)) = 20(0.3+2) = 46 dBと計算し、合計すると72 dBとなります。この選択肢は、何らかの計算間違いか、別の一般的なdB値に誘導された可能性があります。混同注意:dB計算における対数の加算則や、基本的な対数値を正確に覚えていない可能性があります。
- 5. 正解。直列接続された増幅器の総合利得は、個々の利得の積で求められます。この場合、総合利得は 20倍 × 200倍 = 4000倍です。この利得をdB値に変換するには、20log10(総合利得) の式を用います。したがって、20log10(4000) となります。 log10(4000) = log10(4 × 10^3) = log10(4) + log10(10^3) = log10(2^2) + 3 = 2log10(2) + 3 です。log10(2)は近似値で0.301なので、2 × 0.301 + 3 = 0.602 + 3 = 3.602 となります。最終的なdB値は 20 × 3.602 = 72.04 dB です。したがって、72 dBが最も近い値です。
国試ポイント
デシベル計算の基本原則(利得の積がdBの和になること、20log10(倍率)の公式)と、常用対数(log10(2) ≈ 0.3)の知識を正確に理解しているかが問われます。直列接続における総合利得の計算がポイントです。
混同注意
電圧利得と電力利得のdB計算式(電圧利得は20log、電力利得は10log)を混同したり、log10(2)などの基本的な対数値を忘れたりすることが考えられます。また、直列接続の場合に単に利得を足してしまう誤りも誘発されやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず「電圧利得か電力利得か」を確認し、適切なdB変換式(20log or 10log)を選択します。次に「直列接続か並列接続か」を確認し、総合利得の計算方法(利得は積、dBは和)を適用します。最後に基本的な常用対数の値(log10(2) ≈ 0.3, log10(10) = 1, log10(100) = 2など)を用いて計算します。
関連知識
デシベルは、音声や電力の増幅・減衰を表すのに使われる対数単位です。音響機器や無線通信、測定器など様々な分野で用いられます。特に臨床検査では、生体信号の増幅器や測定器の仕様でdB表記が頻繁に登場するため、その計算は基礎知識として重要です。