活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉に関与するのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、内因系凝固経路と共通経路の機能を評価する検査です。内因系凝固経路は第XII因子によって活性化が開始され、その後第XI因子、第IX因子、第VIII因子が順次関与します。共通経路では、第X因子、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、フィブリノゲン(第I因子)が関与し、最終的にフィブリンクロットが形成されます。したがって、プロトロンビン(第II因子)と第XII因子はAPTTの測定に直接関与する因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。プロトロンビン(第Ⅱ因子)は、APTTが反映する内因系および共通経路の両方に含まれる因子です。APTTはフィブリンクロット形成までの時間を測定するため、プロトロンビンの活性が低下するとAPTTは延長します。
- 2. 組織因子は主にプロトロンビン時間(PT)の測定に関与する外因系の開始因子であり、APTT測定には直接関与しません。APTTは外因系を経由しない凝固経路を評価します。正しくは:組織因子ではなく、例えば第XII因子や第XI因子がAPTTに関与します。選びやすい理由:凝固反応全体における重要な因子であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:プロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が測定する凝固経路の区別。
- 3. 第VII因子は外因系に特異的な凝固因子であり、プロトロンビン時間(PT)の測定には関与しますが、APTTが評価する内因系凝固経路には直接関与しません。正しくは:第VII因子ではなく、例えば第IX因子や第VIII因子がAPTTに関与します。選びやすい理由:凝固因子は多くの種類があるため、それぞれの役割が曖昧な場合に選びやすいかもしれません。混同注意:PTとAPTTが評価する凝固経路の区別。
- 4. 正解。第XII因子はAPTTが反映する内因系凝固経路の開始因子です。第XII因子の欠乏や機能低下はAPTTの延長を引き起こします。
- 5. 第XIII因子はフィブリン安定化因子であり、フィブリンモノマーがポリマーを形成した後に架橋結合を促進することで、最終的なフィブリン塊を安定化させます。APTTはフィブリンクロット形成までの時間を測定するため、第XIII因子の活性はAPTT測定値に直接影響しません。正しくは:第XIII因子ではなく、フィブリンクロット形成までの時間に関わる内因系および共通経路の因子がAPTTに関与します。選びやすい理由:凝固の最終段階に関わる因子であるため、重要視されがちですが、APTTの測定原理とは異なります。混同注意:凝固反応全体における各因子の役割と、APTTの測定原理(フィブリン形成までの時間)の区別。
国試ポイント
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定原理と、それに関与する凝固因子を正確に理解しているかを問う問題。特に、PTとAPTTで評価する凝固経路(内因系、外因系、共通経路)を明確に区別できるかが重要です。複数の正答を選択させる形式は、全体的な知識が求められます。
混同注意
プロトロンビン時間(PT)に関与する因子(組織因子、第VII因子など)とAPTTに関与する因子を混同しやすい。また、凝固の最終段階に関与する因子(第XIII因子など)がAPTTの測定原理に直接影響しない点も混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、APTTの延長・短縮が起こる病態や薬剤(例:肝疾患、ビタミンK欠乏、ヘパリン投与、播種性血管内凝固症候群など)について問われる可能性があります。また、PT、APTT、フィブリノゲン、血小板数などの複数の検査結果から、考えられる疾患や病態を推測する問題も想定されます。
関連知識
凝固カスケード(内因系、外因系、共通経路)の全体像、各凝固因子の番号と名称、それぞれの役割、およびPTとAPTTの測定試薬と測定原理。ヘパリン治療のモニタリングにAPTTが用いられること。