健常成人における検査値でみられないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
網赤血球数の健常成人における基準値は、通常0.4~1.5%(絶対数で約4万~8万/μL)程度です。選択肢4の15万/μLは、この基準値を大きく上回る値であり、健常成人では通常見られません。これは溶血性貧血や出血による貧血からの回復期など、骨髄の赤血球産生が亢進している病的な状態を示唆する値です。他の選択肢はすべて健常成人の血液検査基準範囲内の値です。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常成人男性の赤血球数基準範囲は約450万~550万/μL、女性では約400万~500万/μLであり、450万/μLは正常範囲内です。正しくは:これは正常範囲内の値です。選びやすい理由:一見高いように思えるかもしれませんが、正常範囲の下限から中央値に近い値です。混同注意:基準値の具体的な数字を覚えていないと、これが異常値だと誤解する可能性があります。
- 2. 健常成人男性のヘモグロビン濃度基準範囲は約13.5~17.5g/dL、女性では約11.5~15.0g/dLであり、14g/dLは正常範囲内です。正しくは:これは正常範囲内の値です。選びやすい理由:基準値の中央に近い値であり、正常範囲として認識しやすいです。混同注意:基準値の男女差を意識しないと、どちらかの性別で異常値と誤解するかもしれません。
- 3. 健常成人男性のヘマトクリット基準範囲は約40~50%、女性では約35~45%であり、42%は正常範囲内です。正しくは:これは正常範囲内の値です。選びやすい理由:これも基準値の中央に近い値であり、正常範囲として認識しやすいです。混同注意:ヘモグロビンや赤血球数との関連性を理解していないと、個別の数字で判断に迷うかもしれません。
- 4. 正解。健常成人の網赤血球数(絶対数)の基準範囲は一般的に約4万~8万/μL(0.4~1.5%)程度です。15万/μLは基準範囲を大きく逸脱した高値であり、溶血性貧血や出血後の回復期など、骨髄の造血能が亢進している状態を示唆します。正しくは:健常成人の網赤血球数は通常、4万~8万/μL程度です。選びやすい理由:他の血球成分に比べて網赤血球数の絶対数基準値を正確に覚えていないと、誤って正常値と判断してしまう可能性があります。混同注意:網赤血球の「比率(%)」と「絶対数(/μL)」を混同しやすい。比率であれば1.5%程度は正常範囲内だが、絶対数15万/μLは明らかに高値である。また、成人貧血時の増加と健常時の値を混同しやすい。
- 5. 健常成人の血小板数基準範囲は約15万~40万/μLであり、20万/μLは正常範囲内です。正しくは:これは正常範囲内の値です。選びやすい理由:基準値の中央に近い値であり、正常範囲として認識しやすいです。混同注意:血小板数の基準値は比較的幅が広いため、その範囲を正確に把握していないと判断に迷うかもしれません。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な血球成分(赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球、血小板、網赤血球など)の健常成人における基準値を正確に把握しているか、そして異常値を識別できるかが問われます。特に網赤血球数は絶対数と比率の両方で問われることがあり、その生理的意義(造血能の指標)も重要です。
混同注意
網赤血球数の『比率(%)』と『絶対数(/μL)』の基準値、また『成人』と『新生児』など年齢による基準値の違いを混同しやすい。他の血球成分の基準値と比べ、網赤血球数は比較的変動しやすく、その生理的意義から『貧血からの回復期に増える』という知識が先行し、高値であっても正常と誤解してしまうケースもあります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、主要な血球成分の基準値を正確に把握しているか、特に網赤血球の絶対数と比率の基準値を混同していないかを確認する。また、提示された値が正常範囲を逸脱しているか、逸脱している場合はそれがどのような病態を示唆するかを考えられるかを問う可能性があります。
関連知識
・各血球成分の基準値の範囲と男女差、年齢差。・網赤血球の生理的意義(骨髄の造血機能の指標)。・網赤血球が上昇する主な病態(溶血性貧血、出血性貧血の回復期、鉄欠乏性貧血の治療効果判定など)。・網赤血球が低下する主な病態(再生不良性貧血、骨髄抑制など)。・網赤血球の測定法と指標(IRF、CHrなど)。