血清中にMタンパクが認められる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Mタンパクは、特定の形質細胞やB細胞がクローン性に増殖し、単一の構造を持つ免疫グロブリン(Mタンパク)を大量に産生することで血中に検出されます。原発性マクログロブリン血症は、IgMを産生するリンパ形質細胞の増殖によって引き起こされるリンパ増殖性疾患であり、診断基準の一つとして血中のIgM型Mタンパクの検出が挙げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 慢性肝炎では主に肝機能障害や炎症に関連するタンパク質の変動が見られますが、Mタンパク(モノクローナルガンマグロブリン)の産生は通常認められません。正しくは:Mタンパクは形質細胞やB細胞の異常増殖によって産生されます。選びやすい理由:炎症性疾患であるため、タンパク質の異常を連想しやすいかもしれません。混同注意:肝炎では多クローン性免疫グロブリン増加は見られますが、Mタンパクは単クローン性です。
- 2. バセドウ病は自己免疫性の甲状腺機能亢進症であり、Mタンパクの産生とは直接的な関連がありません。正しくは:Mタンパクは形質細胞またはB細胞のクローン性増殖に起因します。選びやすい理由:自己免疫疾患であるため、免疫グロブリンの異常を連想する可能性があります。混同注意:バセドウ病では抗TSH受容体抗体などの自己抗体が産生されますが、これらはMタンパクとは異なります。
- 3. 骨髄異形成症候群は造血幹細胞の異常によって血球産生に異常をきたす疾患ですが、Mタンパクの産生を直接引き起こすものではありません。一部の患者でMGRS(意義不明の単クローン性ガンマ症)を合併することがありますが、直接の原因疾患ではありません。正しくは:Mタンパクはリンパ形質細胞のクローン性増殖によって産生されます。選びやすい理由:骨髄に異常がある疾患であるため、血液成分の異常を広範に考える中で選択しやすいかもしれません。混同注意:骨髄異形成症候群は血球減少が主症状ですが、Mタンパクは特定のリンパ形質細胞の異常増殖によるものです。
- 4. 正解。原発性マクログロブリン血症は、IgM型のMタンパクが血中に多量に認められるリンパ形質細胞性リンパ腫の一種です。Mタンパクの存在が診断基準の一つとなります。選びやすい理由:疾患名に「マクログロブリン血症」とあり、Mタンパク(特にIgM)との関連性が明確です。混同注意:多発性骨髄腫もMタンパク血症を起こしますが、主にIgGやIgAであり、原発性マクログロブリン血症はIgMが特徴です。
- 5. 全身性エリテマトーデスは自己免疫疾患であり、様々な自己抗体が産生されますが、Mタンパクのような単クローン性免疫グロブリンの多量産生は通常認められません。多クローン性の免疫グロブリン増加はみられます。正しくは:Mタンパクは形質細胞またはB細胞の単クローン性増殖によって生成されます。選びやすい理由:自己免疫疾患であるため、免疫グロブリンの異常と誤解しやすいかもしれません。混同注意:SLEでは抗核抗体など多種の自己抗体が産生されますが、これらは多クローン性でありMタンパク(単クローン性)とは異なります。
国試ポイント
Mタンパク血症を引き起こす疾患、特に多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、意義不明の単クローン性ガンマ症(MGUS)の鑑別とMタンパクの特徴に関する知識が問われています。特にそれぞれの疾患で主に検出されるMタンパクの種類(IgG, IgA, IgMなど)を理解しているかが重要です。
混同注意
Mタンパク血症を起こす他の疾患(多発性骨髄腫、MGUSなど)との鑑別。また、自己免疫疾患などで見られる多クローン性免疫グロブリン増加との混同。
次に同じ論点が出たら
Mタンパクが見られる疾患とその病態生理、そして疾患ごとのMタンパクの主な種類(IgG、IgA、IgMなど)に注目する。
関連知識
多発性骨髄腫、意義不明の単クローン性ガンマ症(MGUS)、その他のリンパ増殖性疾患におけるMタンパクの種類と意義。免疫グロブリンの構造と機能。電気泳動によるMタンパクの検出方法。