ABO血液型検査で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ウラ検査は血漿中の抗体を検出する検査であり、感度を高めるために血漿(血清)を2滴用いるのが標準的なプロトコルです。これにより、被検者の抗体と試薬赤血球との反応を確実に捉えることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. ウラ検査は赤血球と血漿中の抗体との反応を見るため、感度を上げる目的や、凝集の程度を正確に判定するために試験管法が推奨されます。スライド法では凝集が弱く、見落としやすいことがあります。正しくは:血漿(血清)を用いたウラ検査は、試験管法で実施する。選びやすい理由:オモテ検査ではスライド法も用いられることがあるため、ウラ検査も可能だと誤解しやすいです。混同注意:オモテ検査(特に緊急時や簡易検査)のスライド法と混同しやすいです。
- 2. ABO式血液型における抗A抗体や抗B抗体は、主にIgMクラスの抗体であり、室温(約20-24℃)で最適反応を示します。37℃はIgG抗体の反応温度であり、ABO式血液型検査では通常用いられません。正しくは:ウラ検査における血漿と試薬赤血球の反応は、室温で加温せずに行う。選びやすい理由:間接クームス試験など、抗体検査の中には37℃で反応させるものもあるため、血液型検査全般が37℃で行われると錯覚しやすいです。混同注意:不規則抗体スクリーニングや交差適合試験の温式反応(37℃)と混同しやすいです。
- 3. オモテ検査では、赤血球浮遊液1滴に対して抗血清(抗A、抗B)を1滴添加するのが一般的です。試薬の過剰な滴下は、凝集反応のバランスを崩し、偽陰性や偽陽性の原因となる可能性があります。正しくは:オモテ検査で用いる抗A血清や抗B血清は、反応液に1滴ずつ添加する。選びやすい理由:他の検査で複数滴加えることがあるため、これも2滴だと誤解しやすいです。また、正確な手順を知らない場合、2滴の方が反応が強く出ると安易に考えるかもしれません。混同注意:特定の特殊な試薬や、他の検査での滴下量と混同する可能性があります。
- 4. 正解。血漿(血清)中に存在する抗体の検出感度を高めるため、試験管法によるウラ検査では、通常、被検者の血漿または血清を2滴、そして試薬赤血球を1滴滴下するプロトコルが用いられます。これにより、被検者の抗体と試薬赤血球との反応を確実に捉えることができます。
- 5. オモテ検査の試験管法では、赤血球と抗体の適切な反応を確保し、凝集の判読を容易にするため、通常2~5%の赤血球浮遊液を使用します。10%浮遊液では赤血球濃度が高すぎ、赤血球の量が抗体に対して過剰になることで偽陰性や凝集の判読困難につながる可能性があります。正しくは:オモテ検査を試験管法で行う際、被検者の赤血球は2~5%浮遊液として調製する。選びやすい理由:赤血球の濃度が高い方が反応が強く出ると誤解しやすいです。また、浮遊液濃度を具体的に覚えていない学生は、適当な数字を選んでしまう可能性があります。混同注意:特定の特殊な検査や、血球計数などの他の検査における希釈率と混同しやすいです。
国試ポイント
ABO血液型検査の基本手技(オモテ検査・ウラ検査の原理、使用試薬、滴下量、反応温度、反応方法、赤血球浮遊液濃度など)は、毎年頻出する重要項目です。特に各工程の具体的な数値(滴下量、濃度、温度)を正確に覚えているかが問われます。なぜその手順で行うのか、理由まで理解しておくことが重要です。
混同注意
オモテ検査とウラ検査の試薬(抗血清か試薬赤血球か)と被検体(被検者赤血球か血漿か)、各検査における滴下量、反応温度、反応時間、スライド法と試験管法の使い分けとその理由、赤血球浮遊液の濃度などが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、オモテ検査とウラ検査それぞれの試薬と検体、反応温度、遠心条件、凝集の読み取り方など、各ステップの具体的な数値や理由を問われる可能性が高いです。また、異常反応(亜型、冷式凝集素、ルーロー形成など)に対する対応も重要となるでしょう。
関連知識
ABO抗体の性質(IgM抗体、自然抗体、室温反応)、Rh式血液型など他の血液型検査との手順の違い(特に反応温度、クームス試薬の使用)、凝集反応の原理とプロゾーン・ポストゾーン現象、不適合輸血の危険性。