血液製剤と外観検査項目との関係で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
スワーリング現象は、血小板製剤の品質管理において、血小板の機能が保持されているかを確認するための重要な外観検査項目です。血小板製剤を穏やかに振盪した際に生じる、渦を巻くような動きを指します。一方、新鮮凍結血漿は、血漿成分のみであり、凝固因子などを供給する目的で使用されるため、血小板はほとんど含まれていません。したがって、新鮮凍結血漿でスワーリング現象を観察することはありません。選択肢4は「新鮮凍結血漿」と「スワーリング現象」の組み合わせが誤っているため、問題文の「適切でないものはどれか」に合致する正答となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板製剤には凝固塊(血液の塊)が認められてはいけません。凝固塊の有無は、製剤の品質異常を示す重要な外観検査項目です。したがって、この組み合わせは適切です。正しくは:この選択肢は正しく、修正の必要はありません。選びやすい理由:製剤の品質管理に関する一般的な知識として、凝固塊がないことを確認するのは当然であるため、正しい選択肢だと判断しやすいです。混同注意:他の血栓形成や凝固に関する病態と混同することはありませんが、製剤中の凝固塊が形成されるメカニズムについて誤解していると判断を誤る可能性があります。
- 2. 血小板製剤は通常、淡黄色透明です。異常な色調(例えば、赤みがかっている場合は赤血球混入、濁りが強い場合は細菌汚染の可能性)は品質異常を示すため、色調確認は重要な外観検査項目です。したがって、この組み合わせは適切です。正しくは:この選択肢は正しく、修正の必要はありません。選びやすい理由:色調確認は一般的な品質管理の指標であり、血小板製剤においても同様であるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:各血液製剤の正常な色調を把握していないと、異常な色調を見落とす可能性があります。例えば、赤血球製剤と血小板製剤の色を混同することはありませんが、わずかな色調変化の異常性を見極める知識が必要です。
- 3. 赤血球製剤において溶血(赤血球が破壊され、ヘモグロビンが遊離すること)が進行している場合、製剤の色が異常に赤黒くなったり、上清が赤みを帯びたりします。これは輸血副作用の原因となるため、溶血の有無は非常に重要な外観検査項目です。したがって、この組み合わせは適切です。正しくは:この選択肢は正しく、修正の必要はありません。選びやすい理由:溶血は赤血球製剤の品質に直接関わる重大な問題であるため、外観検査の項目として当然であると判断しやすいです。混同注意:溶血と凝固を混同することはありませんが、溶血の程度を目視で判断する基準や、軽度溶血の兆候を見落とさない知識が必要です。
- 4. 正解。スワーリング現象は、遠心分離せずに静置した血小板製剤を軽く撹拌した際に、血小板が渦を巻くように動く現象です。これは、血小板が機能的・形態的に健全であることを示す指標であり、血小板製剤の重要な外観検査項目です。新鮮凍結血漿は、血漿成分のみであり血小板を含んでいないため、スワーリング現象を観察することはありません。したがって、この組み合わせは適切ではありません。正しくは:「新鮮凍結血漿にスワーリング現象があるか」ではなく、「血小板製剤にスワーリング現象があるか」であれば適切な組み合わせです。選びやすい理由:血液製剤に関する知識が曖昧だと、スワーリング現象が他の製剤、特に血漿成分でも見られると誤解する可能性があります。混同注意:血小板製剤の検査項目であるスワーリング現象と、新鮮凍結血漿の検査項目(例えば、融解状態、沈殿物の有無など)を混同しやすいです。
- 5. 新鮮凍結血漿は輸血前に融解して使用されますが、この際に異物(微粒子、凝集物など)がないことを確認することは、安全な輸血のために極めて重要です。異物は製剤の汚染や品質劣化を示唆する可能性があります。したがって、この組み合わせは適切です。正しくは:この選択肢は正しく、修正の必要はありません。選びやすい理由:輸血製剤一般において異物の混入がないことを確認するのは基本中の基本であるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:融解時に生じる生理的な沈殿物(クリオプレシピテートなど、特に新鮮凍結血漿で起こりうる)と、製剤の品質異常を示す異物とを混同しないよう注意が必要です。
国試ポイント
血液製剤の種類ごとに、どのような外観検査項目があるか、またその検査が何を意味するのかを正確に理解しているかが問われる問題です。特に、スワーリング現象が血小板製剤に特有の検査項目であるという知識が重要です。各製剤の特性と、それに伴う品質評価のポイントを関連付けて覚える必要があります。
混同注意
スワーリング現象がどの血液製剤の検査項目であるか、つまり血小板製剤と新鮮凍結血漿を混同しやすいです。また、他の製剤で観察される異常(例:赤血球製剤の溶血、血漿製剤の混濁)との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各血液製剤の基本的な組成と機能特性を思い出し、その機能と関連する外観検査項目を結びつけられるかを確認します。特に、特定の成分(例:血小板、赤血球、凝固因子)がその製剤にどの程度含まれているかを考え、それぞれの外観検査が何を評価しているのかを判断します。
関連知識
血液製剤の種類(全血、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤など)、それぞれの適応、保存方法、輸血前の検査項目、および副作用。特に、各製剤の外観検査の重要性と具体的なチェックポイント(凝固塊、溶血、混濁、色調、異物、スワーリング現象など)。