骨髄穿刺液塗抹のMay-Giemsa染色標本(別冊No. 10)を別に示す。この疾患で認められないのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
画像は前骨髄球が多数みられ、急性前骨髄球性白血病(APL)を示唆している。APLでは播種性血管内凝固症候群(DIC)が高頻度に合併し、AT-III(アンチトロンビン)は消費され低下するため、上昇することは通常みられない。
選択肢ごとの解説
- 1. APLに合併するDICでは、凝固因子の消費によりPTが延長する。選びやすい理由:PT延長はAPLにおけるDICの典型的な所見であり、問題文の「通常みられない検査結果」とは逆の事象であるため。混同注意:正常な凝固能。
- 2. APLに合併するDICは線溶亢進型であり、フィブリンが過剰に分解されるためFDPが上昇する。選びやすい理由:FDP上昇はDICの典型的な所見であり、問題文の「通常みられない検査結果」とは逆の事象であるため。混同注意:正常な線溶系。
- 3. APLに合併するDICでは血小板が消費されるため、血小板数が減少する。選びやすい理由:血小板数減少はDICの典型的な所見であり、問題文の「通常みられない検査結果」とは逆の事象であるため。混同注意:正常な血小板数。
- 4. APLのような急性白血病では貧血や炎症性サイトカインの影響でESRが促進する傾向にあるため、遅延することは通常みられない。正しくは:赤血球沈降速度(ESR)は促進する。選びやすい理由:ESRの異常は非特異的であるため、正しい方向性を判断しにくい。DICとの直接的な関連が薄い。混同注意:炎症性疾患や貧血がない場合のESR。
- 5. 正解。APLに合併するDICでは、凝固因子の消費に伴い抗凝固因子であるアンチトロンビン(AT-III)も消費され低下するため、上昇することは通常みられない。選びやすい理由:凝固系が異常な状態であるため、何らかの因子が上昇すると考えがちだが、アンチトロンビンは消費される側の因子であることを忘れると誤答となる。混同注意:凝固因子活性の上昇や、DICにおけるフィブリン分解産物の上昇など。
国試ポイント
急性前骨髄球性白血病(APL)とDICの病態生理、および関連する検査所見を理解しているか。
混同注意
他の急性白血病型における凝固異常との鑑別。特に、APLのDICは線溶亢進型である点が重要。
次に同じ論点が出たら
骨髄穿刺液の画像診断で顆粒球系の幼若細胞が増加し、特にアウエル小体が多数認められる場合はAPLを疑う。DICの検査所見と照らし合わせる。
関連知識
APLの診断基準(t(15;17)融合遺伝子)、治療(ATRA療法)、DICの治療(補充療法、AT-III製剤投与)。