血小板顆粒に含まれ、血管の収縮作用をもつのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血小板の濃密顆粒に含まれるセロトニン(5-HT)は、血管を強力に収縮させる作用を持ちます。これは止血時に局所の血流を減少させ、止血栓形成を助ける重要な機能です。他の選択肢のP-セレクチン、フィブリノゲン、トロンボスポンジン、β-トロンボグロブリンはいずれも血小板の顆粒に含まれますが、血管収縮作用は持ちません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン)は血小板の濃密顆粒に多量に含まれており、血管を強力に収縮させる作用があります。これは、止血栓形成時に局所の血管収縮を促し、出血を抑制するために重要な働きです。
- 2. P-セレクチンは血小板のα顆粒に貯蔵されており、血小板が活性化すると細胞表面に発現し、白血球や内皮細胞との接着に関与する接着分子です。血管収縮作用は持ちません。正しくは:P-セレクチンは血小板活性化時に細胞表面に発現し、白血球や内皮細胞との接着に関わる接着分子である。選びやすい理由:血小板の顆粒に含まれ、止血に関わる重要な分子であるため、選んでしまいやすい。混同注意:血管収縮作用を持つセロトニンやトロンボキサンA2などと混同しやすい。
- 3. フィブリノゲンは血小板のα顆粒に貯蔵されており、血小板が活性化すると細胞外へ放出され、血小板同士の凝集やフィブリン形成に関わる凝固因子です。血管収縮作用はありません。正しくは:フィブリノゲンは血小板の凝集やフィブリン形成に関わる凝固因子である。選びやすい理由:止血の重要な要素であるため、正しい選択肢に見えることがある。混同注意:血管収縮作用を持つ物質ではなく、凝固カスケードに関わる分子であるため、その役割を混同しやすい。
- 4. トロンボスポンジンは血小板のα顆粒に貯蔵され、血小板の接着、凝集、さらには血管新生の抑制などに関わる分子です。血管収縮作用は持ちません。正しくは:トロンボスポンジンは血小板の接着や凝集、血管新生の抑制などに関わる分子である。選びやすい理由:血小板の顆粒に含まれる重要な因子であり、止血機能と関連するため誤解しやすい。混同注意:血管収縮作用を持つセロトニンやトロンボキサンA2などと混同しやすい。
- 5. β-トロンボグロブリンは血小板のα顆粒に貯蔵されており、血小板活性化の指標として用いられる物質です。また、ヘパリン結合性を示し、血管新生の抑制作用も報告されていますが、直接的な血管収縮作用はありません。正しくは:β-トロンボグロブリンは血小板活性化の指標として用いられる物質であり、ヘパリン結合性を示す。選びやすい理由:血小板から放出される因子であるため、止血機能全般と関連があると誤解しやすい。混同注意:血管収縮作用を持つ物質ではなく、主に血小板活性化のマーカーや炎症反応に関わる分子である。
国試ポイント
血小板の顆粒(濃密顆粒とα顆粒)に含まれる主要な物質と、それぞれの主な生理機能(特に止血における役割)を正確に理解しているかを問う問題です。特に血管収縮作用を持つ物質に焦点を当てています。
混同注意
血小板から放出される多くの因子があり、それぞれの役割を混同しやすい。特に、血管収縮作用を持つセロトニンと、凝集・接着・凝固に関わる他の因子(P-セレクチン、フィブリノゲン、トロンボスポンジンなど)の区別が重要となる。
次に同じ論点が出たら
この論点が出た場合、血小板の顆粒に含まれる物質の具体的な種類とその主要な作用(特に止血機序における役割、例:血管収縮、血小板凝集、凝固促進、線溶抑制など)を問う問題が想定されます。
関連知識
血小板の濃密顆粒には、ADP、ATP、セロトニン、Ca2+などが含まれ、血小板凝集や血管収縮に関わる。α顆粒には、フィブリノゲン、フォン・ヴィルブランド因子 (vWF)、血小板第4因子 (PF4)、β-トロンボグロブリン、PDGF、TGF-β、P-セレクチン、トロンボスポンジンなどが含まれ、凝固、炎症、修復など多岐にわたる機能を持つ。また、血小板自身が産生するトロンボキサンA2も強力な血管収縮・血小板凝集作用を持つ。