脳波の記録法で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
脳波電極の配置には、国際的な標準である国際10-20法が用いられ、これにより電極位置の再現性と客観性が保たれます。また、基準電極導出法では、脳活動の影響を受けにくい耳朶(耳たぶ)などが基準電極として一般的に使用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。脳波電極の国際10-20法は、電極位置を正確かつ再現性高く配置するための国際的な標準規約であり、検査の信頼性を確保する上で非常に重要です。
- 2. 正解。基準電極導出法(単極導出法)において、耳朶は比較的電気的に不活動な部位であるため、活動電極の電位を比較する基準電極として広く採用されています。
- 3. 過呼吸賦活は通常、3~5分間程度、患者が深く規則的に呼吸するように促して行われます。1分間という時間も短く、特定の呼吸回数ではなく持続時間と呼吸の深さが重要です。正しくは:過呼吸賦活法は、通常3~5分間、深く規則的な呼吸を促して施行します。選びやすい理由:「賦活」という言葉から、強い刺激や高い頻度を連想しやすいですが、効果的な賦活には持続時間と呼吸の深さがより重要です。混同注意:呼吸賦活の目的や実施方法について、詳細なプロトコルと混同している可能性があります。
- 4. 電極と頭皮の接触抵抗(インピーダンス)が高いと、ノイズが増加したり、信号が減衰したりして、質の良い脳波が記録できません。通常、5kΩ以下が望ましいとされます。正しくは:電極と頭皮間の接触抵抗は、脳波記録の品質に大きく影響を与えます。選びやすい理由:医療機器が自動で調整してくれると誤解するかもしれない、あるいは、少しの抵抗であれば問題ないと考えてしまうかもしれません。混同注意:接触抵抗の重要性について認識が不足しているか、他の電気生理学的検査での基準値と混同している可能性があります。
- 5. 時定数を大きくするということは、低域フィルターの遮断周波数を下げることを意味します。これにより、低周波成分(例:徐波、発汗によるアーチファクト、基線動揺など)がより多く記録されるようになり、低周波ノイズはむしろ増加します。低周波ノイズを減らすには、時定数を小さく(遮断周波数を高く)設定する必要があります。正しくは:時定数を小さくすると、低周波ノイズが低減されます。選びやすい理由:「ノイズ低減」という言葉の響きから、時定数を上げることが良い影響を与えると思ってしまう。しかし、時定数とフィルターの関係を正確に理解していないと間違えやすいです。混同注意:時定数とフィルターの概念、特に低域フィルターの働きと高域フィルターの働きを混同している可能性があります。一般的に「フィルターをかける」とノイズが減るというイメージがあるため、その文脈で誤解しやすいです。
国試ポイント
脳波記録法に関する基本的な知識が問われています。具体的には、電極配置の国際基準、導出法における基準電極の選択、賦活法の正しい実施方法、記録品質に影響を与える要因(接触抵抗)、そしてフィルター設定(時定数)とノイズの関係について正確な理解が求められます。
混同注意
フィルター設定(時定数、高域・低域フィルター)の具体的な作用と、それぞれが除去するノイズの種類が混同されやすい点です。また、賦活法の具体的な条件(時間、回数)や、接触抵抗の許容範囲などの数値が曖昧になりがちです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各フィルター(高域・低域)がどのような周波数帯域に影響を与え、どのようなノイズを除去するのか、具体的な数値(時定数やHz)と合わせて理解しているかを確認する必要があります。また、主要なアーチファクトの種類とその鑑別、対策についても知識が問われる可能性があります。
関連知識
脳波の導出法(単極導出法、双極導出法)、その他の賦活法(光刺激賦活)、アーチファクトの種類と原因、脳波計の基本的な仕組み(アンプ、フィルターなど)、インピーダンス測定の重要性。