セルブロック法について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
セルブロック法は、細胞検体から組織学的な情報を得るために行われます。細胞集塊をパラフィン包埋し、薄切して切片を作製するため、ある程度の細胞数が必要です。細胞数が極端に少ない検体では、十分な集塊が得られず、むしろ通常の塗抹標本の方が診断に役立つことが多いです。したがって、「細胞数が少ない検体で特に有用性が高い」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. セルブロック法で作成されたパラフィン包埋ブロックは、組織切片と同様に免疫組織化学染色に利用できます。これはセルブロック法の主要な利点の一つです。正しくは:この記述は正しいので、「実施することができます」で適切です。選びやすい理由:免疫染色というと組織検体のイメージが強いかもしれませんが、セルブロック法は細胞検体を組織のようなブロックにするため、免疫染色が可能です。混同注意:通常の細胞診標本(塗抹標本)での免疫染色との違い。
- 2. セルブロック法では、細胞検体を遠心分離で集塊にした後、組織と同様にホルマリン固定を行います。これにより、細胞の形態が保持され、その後の処理に適した状態になります。正しくは:この記述は正しいので、「ホルマリンで固定します」で適切です。選びやすい理由:細胞診検体はアルコール固定も多いですが、セルブロック法は組織学的手法に準じるためホルマリン固定が一般的です。混同注意:細胞診標本(塗抹標本)の固定方法(アルコール固定など)との混同。
- 3. セルブロック法は、まさに細胞の集塊をパラフィン包埋し、薄切して観察する手法です。これにより、細胞間の関係性や構造を組織のように詳細に評価できます。正しくは:この記述は正しいので、「細胞の集塊を観察するのに適しています」で適切です。選びやすい理由:名前の通り「セルブロック」なので、細胞の集塊を観察するのは当然と捉えやすいです。混同注意:通常の細胞診標本(個々の細胞の形態観察が主)との観察目的の違い。
- 4. セルブロック法は、細胞集塊をパラフィンに包埋し、ミクロトームで薄切してパラフィン切片を作製する一連の過程を含みます。これは病理組織診断に準じた観察を可能にするためです。正しくは:この記述は正しいので、「パラフィン切片を作成します」で適切です。選びやすい理由:セルブロック法は細胞検体を組織学的に扱うための方法であり、パラフィン切片の作成がその核となる工程です。混同注意:細胞診標本(直接塗抹や液状検体)の作製法との混同。
- 5. 正解。細胞数が少ない検体の場合、セルブロック法では十分な細胞集塊が得られず、診断に必要な情報が得られない可能性が高くなります。セルブロック法は、ある程度の細胞数がある検体で、特に細胞の構造や組織構築の評価が必要な場合に有用性が高いです。細胞数が少ない場合は、通常の塗抹標本の方が有用なことが多いです。正しくは:この記述は誤りなので、「細胞数が少ない検体の場合、セルブロック法は有用性が低い、あるいは適さないことが多いです」と修正できます。選びやすい理由:少ない細胞をまとめて観察できるイメージがあるため、有用性が高いと誤解しやすいかもしれません。しかし、まとめるためにはある程度の細胞数が必要です。混同注意:液状検体細胞診(LBC)のように、少ない細胞からでも均一な標本を作製できる技術との混同。セルブロック法はあくまで「集塊」を作る技術であり、元々の細胞数が極端に少ないと集塊が形成されにくいです。
国試ポイント
セルブロック法の基本的な原理、目的、およびその適用条件について問われています。特に、細胞診と組織診の中間的な手法としての特徴と、細胞数との関係がポイントです。
混同注意
通常の細胞診標本(塗抹標本)の作製・固定方法や、液状検体細胞診(LBC)の利点との混同。セルブロック法は組織学的な評価を目的としており、十分な細胞数があることが前提となります。
次に同じ論点が出たら
次回、セルブロック法に関する問題が出た場合は、その具体的な適用疾患や、どのような情報が得られるのか、また他の細胞診手法との比較(特にLBCとの違い)に注目して検討する。
関連知識
セルブロック法の各工程(遠心分離、固定、包埋、薄切、染色)、利点(組織構造の評価、免疫染色・分子生物学的検査への応用)、欠点(細胞数が少ないと困難、手間とコスト)を理解しておくことが重要です。