髄液検査所見を示す。外観:無色透明、液圧:上昇、細胞数:増加(主な細胞は単核球)、糖:低下、トリプトファン反応:陽性。考えられる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
結核性髄膜炎では、炎症による髄液の通過障害で髄液圧が上昇し、結核菌に対する免疫応答として単核球優位の細胞数増加が見られます。糖は結核菌が消費するため低下し、トリプトファン反応は結核菌の代謝産物であるトリプトファナーゼによる反応で陽性となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 日本脳炎はウイルス性髄膜脳炎の一種であり、髄液所見は単核球優位の細胞増多、糖は正常〜軽度低下が典型的で、トリプトファン反応は通常陰性です。正しくは:日本脳炎の場合、トリプトファン反応は通常陰性であり、本症例の陽性所見とは異なります。選びやすい理由:単核球増加という点でウイルス性疾患と誤解しやすい可能性があります。混同注意:ウイルス性髄膜炎
- 2. くも膜下出血の髄液所見では、外観が血性またはキサントクロミーを呈し、細胞数は赤血球の増加が特徴的です。トリプトファン反応は陽性にはなりません。正しくは:くも膜下出血では外観が血性またはキサントクロミーとなり、細胞は赤血球が増加します。選びやすい理由:液圧上昇という共通点があるため、鑑別が難しいと感じる可能性があります。混同注意:頭蓋内圧亢進を伴う他の疾患
- 3. 正解。結核性髄膜炎では、液圧上昇、単核球優位の細胞数増加、糖の低下、トリプトファン反応陽性が典型的所見であり、本症例の髄液所見と一致します。
- 4. 細菌性髄膜炎の髄液所見では、細胞数は多核球(好中球)優位に著明な増加を示し、糖は著明に低下しますが、トリプトファン反応は通常陰性です。正しくは:細菌性髄膜炎の場合、細胞数は多核球(好中球)優位に増加します。選びやすい理由:液圧上昇と糖の低下という共通点があるため、最も混同しやすい選択肢です。混同注意:結核性髄膜炎
- 5. ウイルス性髄膜炎の髄液所見では、液圧は正常〜軽度上昇、細胞数は単核球優位に増加しますが、糖は正常または軽度低下であり、トリプトファン反応は陰性です。正しくは:ウイルス性髄膜炎の場合、糖は正常または軽度低下であり、トリプトファン反応は陰性です。選びやすい理由:単核球増加という共通点があるため、選びやすい可能性があります。混同注意:結核性髄膜炎
国試ポイント
髄液所見から各種髄膜炎の鑑別ができるようにする。特に細胞の種類(単核球優位か多核球優位か)、糖、蛋白、特異反応に注目する。
混同注意
細菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎の鑑別。細菌性は多核球優位で糖が著明に低下し蛋白も高度上昇、ウイルス性は単核球優位で糖は正常または軽度低下、蛋白は軽度上昇。
次に同じ論点が出たら
髄液検査所見の問題では、まず細胞の種類(単核球か多核球か)を確認し、次に糖の値、蛋白の値、特異反応(トリプトファン反応など)の有無を総合的に判断する。
関連知識
髄液圧上昇は頭蓋内圧亢進を示し、髄膜炎の重症度や水頭症の合併を示唆する。トリプトファン反応は結核性髄膜炎に比較的特異的とされる検査である。