リンパ球で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
1. B細胞の産生・成熟は骨髄で行われます。2. NK細胞は免疫グロブリンを産生しません。免疫グロブリン産生はB細胞(形質細胞)の機能です。3. 成熟T細胞はサイトカインを産生しますが、トロンボポエチンは肝臓などで産生される造血因子です。4. 成熟B細胞は細胞表面に補体レセプター(例: CD21)を持ち、抗原提示や免疫応答に関与します。5. 健常成人の末梢血では、T細胞が約70-80%を占め、B細胞は約10-15%とT細胞よりも少ないです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。B細胞は鳥類のファブリキウス嚢に相当する器官である骨髄で産生・成熟します。これは主要な一次リンパ器官の機能です。
- 2. NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を直接攻撃する細胞性免疫を担うリンパ球の一種ですが、免疫グロブリン(抗体)を産生する能力はありません。正しくは:免疫グロブリンを産生するのはB細胞(形質細胞)です。選びやすい理由:リンパ球の一種であるため、免疫機能を持つことから免疫グロブリン産生も連想されやすいですが、具体的な機能は異なります。混同注意:B細胞や形質細胞の機能と混同しやすいです。
- 3. Tリンパ球はサイトカインを産生しますが、トロンボポエチンは血小板の産生を促進するホルモンであり、主に肝臓や腎臓で産生されます。T細胞の機能ではありません。正しくは:トロンボポエチンは主に肝臓や腎臓で産生され、巨核球の増殖・分化を促進します。選びやすい理由:リンパ球がサイトカインを分泌するという知識と混同し、何らかの生理活性物質を産生すると考えがちです。混同注意:リンパ球が産生するサイトカインや、他の臓器が産生する造血因子と混同する可能性があります。
- 4. 正解。成熟B細胞は、細胞表面にB細胞受容体(BCR)やMHCクラスII分子の他に、補体レセプター(CD21など)を持っています。これにより、B細胞は補体結合抗原を認識しやすくなり、免疫応答が促進されます。
- 5. 健康な成人の末梢血リンパ球の大部分はT細胞(約70-80%)で、B細胞は約10-15%です。T細胞の方がB細胞よりもはるかに多く存在します。正しくは:健常成人の末梢血ではT細胞の方がB細胞よりも多いです。選びやすい理由:免疫系の主要な細胞であるため、いずれかの細胞が優位であるというイメージは持ちやすいですが、具体的な比率は誤りです。混同注意:T細胞とB細胞の比率について、正確な知識がないと誤解しやすいです。
国試ポイント
リンパ球の各種類(B細胞、T細胞、NK細胞)の基本的な機能、産生部位、表面マーカー、および末梢血中の割合について正確な知識が問われています。特に、どのリンパ球がどの物質を産生するか、どの器官で成熟するか、そして細胞表面に何を持つかという点が重要です。
混同注意
B細胞とT細胞の機能や成熟部位、NK細胞の機能、免疫グロブリンの産生細胞、造血因子の産生臓器、末梢血中のリンパ球比率などが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各リンパ球の具体的な分化経路、主要な表面マーカー、そしてそれぞれが関与する疾患(例: B細胞性リンパ腫、T細胞性白血病)や免疫不全症との関連が問われる可能性があります。
関連知識
一次リンパ器官(骨髄、胸腺)と二次リンパ器官(リンパ節、脾臓)、体液性免疫と細胞性免疫、主要なリンパ球の表面マーカー(例: CD3, CD4, CD8, CD19, CD20, CD56)、サイトカインとホルモン(造血因子)の違い。