アミロイドβ蛋白の沈着を特徴とする疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβタンパク質が老人斑として蓄積し、これが神経細胞の変性や死滅を引き起こすことで認知機能障害が進行する疾患です。アミロイドβタンパク質の沈着は、タウタンパク質の異常リン酸化による神経原線維変化と並び、アルツハイマー病の二大病理学的特徴とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβタンパク質が老人斑として異常に蓄積し、神経細胞が変性・脱落することで認知機能障害を引き起こす神経変性疾患です。アミロイドβの沈着は、この病気の主要な病理学的特徴の一つです。
- 2. クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオンタンパク質の異常な折りたたみと蓄積によって引き起こされる進行性の神経変性疾患です。アミロイドβタンパク質の沈着とは関連しません。正しくは:プリオンタンパク質の異常蓄積を特徴とする。選びやすい理由:進行性の認知機能障害や神経症状を呈するため、アルツハイマー病と混同しやすいが、原因となるタンパク質が異なる。混同注意:アルツハイマー病(アミロイドβ)、レビー小体型認知症(αシヌクレイン)など、他のタンパク質異常蓄積による神経変性疾患。
- 3. ギラン・バレー症候群は、自己免疫性の末梢神経疾患であり、アミロイドβタンパク質の沈着とは直接的な関連がありません。末梢神経のミエリン鞘が自己免疫攻撃を受けることで、急速進行性の筋力低下や感覚障害が生じます。正しくは:自己免疫性末梢神経障害である。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、関連があるように思えるかもしれない。混同注意:中枢神経系の変性疾患(例:アルツハイマー病、ALS)と、末梢神経系の自己免疫疾患(ギラン・バレー症候群)。
- 4. 進行性多巣性白質脳症は、JCウイルスによる中枢神経系の脱髄疾患であり、特に免疫不全患者に多く見られます。アミロイドβタンパク質の沈着とは関係ありません。正しくは:JCウイルスの感染による脱髄疾患である。選びやすい理由:白質病変を伴う中枢神経疾患であるため、神経変性疾患との区別がつきにくい場合がある。混同注意:免疫不全に関連する神経疾患や、脱髄疾患(例:多発性硬化症)。
- 5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性・脱落を特徴とする神経変性疾患です。主な病理学的特徴はTDP-43タンパク質の異常蓄積ですが、アミロイドβタンパク質の沈着は主要な病態ではありません。正しくは:TDP-43タンパク質の異常蓄積を特徴とする。選びやすい理由:アルツハイマー病と同様に進行性の神経変性疾患であり、タンパク質の異常蓄積が病態に関与するという点で共通性があるため、混同しやすい。混同注意:他の神経変性疾患、特に異なるタンパク質の異常蓄積を伴う疾患(例:アルツハイマー病のアミロイドβ、パーキンソン病のαシヌクレイン)。
国試ポイント
神経変性疾患における主要な異常タンパク質とその関連疾患を正確に結びつける知識が問われます。特に、アルツハイマー病のアミロイドβとタウ、パーキンソン病のαシヌクレイン、クロイツフェルト・ヤコブ病のプリオン、ALSのTDP-43など、主要な疾患と責任タンパク質の組み合わせを理解しているかが重要です。
混同注意
アルツハイマー病のアミロイドβタンパク質沈着と、他の神経変性疾患(例:レビー小体型認知症のαシヌクレイン、クロイツフェルト・ヤコブ病のプリオンタンパク質、ALSのTDP-43)における異なるタンパク質の異常蓄積。また、末梢神経疾患やウイルス感染による脳疾患との区別。
次に同じ論点が出たら
疾患名と、その疾患の主要な病理学的特徴を構成する異常タンパク質の組み合わせ。特に、病理所見(老人斑、レビー小体、神経原線維変化など)と責任タンパク質(アミロイドβ、タウ、αシヌクレイン、プリオン、TDP-43など)との関連を問う問題が予想されます。
関連知識
神経変性疾患の病理学的特徴(老人斑、神経原線維変化、レビー小体など)。各疾患の主要な原因タンパク質とその生理機能・異常機能。神経系の構造と機能、および疾患による影響(中枢神経、末梢神経)。免疫学的疾患(自己免疫疾患)と感染症による神経系疾患。