アスベストばく露と関連する腫瘍はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
悪性中皮腫は、アスベスト(石綿)への曝露によって引き起こされることが科学的に強く証明されている悪性腫瘍です。特に胸膜に発生するものが多く、アスベスト曝露から長い潜伏期間を経て発症します。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ感染、塩分の過剰摂取、喫煙などが主な危険因子であり、アスベスト曝露との明確な因果関係は確立されていません。正しくは:胃がんではなく、悪性中皮腫や肺がんがアスベスト関連腫瘍として知られています。選びやすい理由:がんの一種であるため、一般的にがんの原因を問う問題として誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の一般的ながんの種類と、アスベストとの関連性が混同される可能性があります。
- 2. 肝がんの主な原因はB型・C型肝炎ウイルス感染、アルコールの過剰摂取、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などであり、アスベスト曝露は主要な危険因子ではありません。正しくは:肝がんではなく、悪性中皮腫や肺がんがアスベスト関連腫瘍として知られています。選びやすい理由:特定の臓器のがんであるため、他の有害物質によるがんとの関連と混同しやすいかもしれません。混同注意:ウイルス性肝炎や飲酒による肝疾患と、アスベストによる呼吸器系疾患との関連性が混同される可能性があります。
- 3. 乳がんの発生には女性ホルモン(エストロゲン)、遺伝的要因、生活習慣などが深く関与しており、アスベスト曝露との関連性は認められていません。正しくは:乳がんではなく、悪性中皮腫や肺がんがアスベスト関連腫瘍として知られています。選びやすい理由:女性に多いがんとして広く認識されているため、一般的な疾患知識と混同しやすいかもしれません。混同注意:性差に関わるがんの種類と、環境因子によるがんとの関連性が混同される可能性があります。
- 4. 悪性黒色腫は皮膚がんであり、主な原因は紫外線曝露や遺伝的要因です。アスベスト曝露との関連は確認されていません。正しくは:悪性黒色腫ではなく、悪性中皮腫や肺がんがアスベスト関連腫瘍として知られています。選びやすい理由:「悪性」という言葉から、特定の化学物質による発がん性を連想させるかもしれませんが、原因物質は異なります。混同注意:他の発がん物質や、皮膚への影響とアスベストの肺への影響が混同される可能性があります。
- 5. 正解。悪性中皮腫は胸膜、腹膜、心膜などに発生するまれな悪性腫瘍で、アスベスト(石綿)への曝露が原因であることが強く示されています。アスベスト関連疾患の代表的な一つです。選びやすい理由:中皮腫という疾患自体がまれであるため、他の一般的ながんと比較して知識が不足していると選びにくいかもしれません。しかし、アスベストとの関連性は非常に特異的で重要です。混同注意:肺がんもアスベストと関連しますが、中皮腫はアスベスト曝露に特異性の高い疾患として認識されています。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、環境因子と疾患との関連性を問う問題が頻出します。特にアスベストは、過去の労働環境や健康被害との関連で社会的な関心も高く、その原因疾患を正確に理解しているかが問われます。悪性中皮腫と肺がんが主要なアスベスト関連腫瘍であることを押さえておく必要があります。
混同注意
アスベスト関連疾患として、肺がんも非常に重要ですが、選択肢に肺がんがない場合、悪性中皮腫がアスベスト曝露に最も特異性の高い疾患として正答になります。また、他の一般的ながんの原因物質とアスベストの関連性を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、アスベスト関連疾患の他の種類(例: 肺がん、石綿肺)や、アスベストの病理学的特徴、診断基準、あるいは特定の職業と関連付けた設問に注意して判断する。
関連知識
アスベスト関連疾患には、悪性中皮腫の他に、肺がん、石綿肺(じん肺の一種)、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水などがあります。潜伏期間が非常に長く、曝露から数十年後に発症することが特徴です。中皮腫は特に、ごく微量のアスベスト曝露でも発症する可能性が指摘されています。