リジン脱炭酸反応陽性を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
リジン脱炭酸反応は、リジンからカダベリンを生成する際に二酸化炭素を遊離する反応です。この反応の陽性/陰性は、腸内細菌科細菌の鑑別に非常に重要な生化学的性状の一つです。Salmonella Typhiを含むサルモネラ属の多くはリジン脱炭酸反応陽性ですが、Citrobacter freundii、Proteus mirabilis、Shigella sonnei、Yersinia enterocoliticaなどは陰性です。特にサルモネラと志賀菌の鑑別においては、リジン脱炭酸反応の陽性/陰性が主要な鑑別点となります(サルモネラ陽性、志賀菌陰性)。
選択肢ごとの解説
- 1. Citrobacter freundiiはリジン脱炭酸反応が通常陰性です。ただし、この菌種は一部の生化学的検査でサルモネラと類似することがあり、鑑別には他の複数の項目を組み合わせる必要があります。正しくは:Citrobacter freundiiはリジン脱炭酸反応陰性です。選びやすい理由:グラム陰性桿菌であるため、腸内細菌科の一員として誤って陽性と考えてしまう可能性があります。混同注意:Salmonella種と生化学的性状が一部類似することがあるため混同する可能性があります。
- 2. Proteus mirabilisはリジン脱炭酸反応が陰性です。この菌種は特徴的な運動性とウレアーゼ陽性を示します。正しくは:Proteus mirabilisはリジン脱炭酸反応陰性です。選びやすい理由:同じ腸内細菌科の菌であるため、陽性と考えてしまう可能性があります。混同注意:リジン脱アミノ反応は陽性ですが、リジン脱炭酸反応とは異なる反応です。この二つを混同しやすいです。
- 3. 正解。Salmonella Typhiはリジン脱炭酸反応が陽性となることが特徴の一つです。この反応はサルモネラの鑑別に重要な項目となります。
- 4. Shigella sonneiはリジン脱炭酸反応が陰性です。志賀菌属は通常、運動性や硫化水素産生が陰性であること、そしてリジン脱炭酸反応も陰性であることで特徴づけられます。正しくは:Shigella sonneiはリジン脱炭酸反応陰性です。選びやすい理由:同じ腸内細菌科の病原菌であり、サルモネラと並んで鑑別が問われることが多いため、知識の混乱が生じやすいです。混同注意:Salmonella種(陽性)とShigella種(陰性)の鑑別項目として重要であり、混同しやすいです。
- 5. Yersinia enterocoliticaはリジン脱炭酸反応が陰性です。この菌は低温でも増殖可能であり、運動性も低温では陽性、高温では陰性という特徴を持ちます。正しくは:Yersinia enterocoliticaはリジン脱炭酸反応陰性です。選びやすい理由:腸内細菌科の病原菌であり、他の病原菌との鑑別で生化学的性状が問われることが多いため、誤って陽性と考えてしまう可能性があります。混同注意:他の腸内細菌科細菌との生化学的性状を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、臨床微生物検査における細菌の生化学的性状に関する知識、特に腸内細菌科細菌の鑑別で用いられるリジン脱炭酸反応の陽性菌種を問うものです。主要な病原性腸管細菌の基本的な生化学的性状を正確に覚えているかが問われます。特に鑑別が難しい菌種間の違いを把握していることが重要です。
混同注意
リジン脱アミノ反応(Proteus属、Providencia属、Morganella属が陽性)とリジン脱炭酸反応を混同しやすいです。また、サルモネラと志賀菌、あるいはサルモネラとCitrobacter freundiiのような生化学的性状が一部類似する菌種との鑑別点について混乱が生じやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、リジン脱炭酸反応以外の重要な生化学的性状(例: 硫化水素産生、運動性、ウレアーゼ、糖分解性)と、それらが陽性/陰性となる代表的な菌種(特にSalmonella, Shigella, Proteus, Klebsiellaなど)を問う可能性があります。
関連知識
腸内細菌科細菌の同定には、IMViCテスト(インドール産生、メチルレッド試験、Voges-Proskauer試験、クエン酸利用)、ウレアーゼ、硫化水素産生、運動性、糖分解性など、複数の生化学的性状を組み合わせて行われます。リジン脱炭酸反応だけでなく、これら全体の性状を理解することが重要です。