健常成人の超音波検査で得られた腹部のBモード像(別冊No. 4)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下に示す画像は、脾静脈の前面に描出される実質臓器であり、そのエコー輝度(肝臓より高エコー)と周囲の解剖学的ランドマーク(特に脾静脈、上腸間膜静脈)から膵臓であると判断できる。膵臓は通常、肝臓と比較して高エコーに描出される特徴がある。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃は消化管の一部であり、通常は内容物の有無や蠕動により多様な画像を示すが、本画像のように実質臓器として均一なエコー像を呈することはない。また、膵臓と解剖学的位置も異なる。正しくは:胃は消化管であり、通常は超音波画像では壁構造と内容物が観察される。選びやすい理由:腹部臓器であるため、選択肢としてありうる。混同注意:胃の位置を正確に把握していないと、他の腹部臓器と混同する可能性がある。
- 2. 肝臓は腹部において非常に大きな臓器であり、超音波画像では通常、均一な実質エコーと内部を走行する血管構造が明瞭に描出される。本画像で矢印が示す臓器は、肝臓よりも小さく、膵臓特有の形態をしている。正しくは:肝臓は右季肋部に位置する大きな実質臓器で、内部には門脈や肝静脈が観察される。選びやすい理由:肝臓は腹部超音波検査で最もよく観察される臓器の一つであるため、無意識に選んでしまう可能性がある。混同注意:他の実質臓器、特に膵臓との位置関係やエコー輝度を混同する可能性がある。
- 3. 正解。示された画像は、脾静脈の前面に位置し、通常肝臓よりも高エコー(白く見える)を示す膵臓の典型的なBモード像である。肝臓との位置関係や周囲の血管(脾静脈、上腸間膜静脈など)との関連から、膵臓と判断できる。
- 4. 胆囊は肝臓の下面に位置し、内部に胆汁を満たした無エコーの袋状構造として描出される。本画像で矢印が示す臓器は実質臓器であり、胆囊のような嚢胞性構造ではない。正しくは:胆囊は肝臓の下部に位置する胆汁を貯蔵する器官で、通常は内部に液体貯留を認める。選びやすい理由:肝臓に近い位置にあるため、腹部臓器として選択肢に入ることがある。混同注意:肝臓、膵臓、胆管などの周辺臓器との解剖学的関係性を正確に把握していないと混同しやすい。
- 5. 脾臓は左季肋部に位置し、通常、肝臓と同等かやや低エコーの実質臓器として描出される。本画像で矢印が示す臓器は、膵臓の典型的なエコー像であり、解剖学的な位置やエコー輝度が脾臓とは異なる。正しくは:脾臓は左季肋部にあるリンパ系の臓器で、一般的に肝臓よりやや低エコーである。選びやすい理由:腹部臓器の一つであり、特に膵臓と区別する必要があるため、選択肢として挙げられる。混同注意:肝臓や膵臓といった他の実質臓器との位置関係やエコー輝度を正確に把握していないと混同しやすい。
国試ポイント
本問題は、健常成人の腹部超音波検査における主要臓器のBモード像を識別できるかを問う。特に、膵臓の解剖学的位置、エコー輝度、および周囲の血管構造(脾静脈など)との位置関係を理解していることが重要となる。
混同注意
肝臓、脾臓といった他の実質臓器や、胃などの消化管と混同しやすい。特に膵臓は周囲の脂肪組織の状態によってエコー輝度が変化しやすいため、典型的な画像パターンを覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず臓器の形態と大きさ、そして周囲の血管や他の臓器との位置関係に注目する。特に、脾静脈の前面にある高エコーな実質臓器であれば、膵臓と判断できる。
関連知識
膵臓の形態(頭部、体部、尾部)、主膵管、および膵臓と関連する血管構造(脾動静脈、上腸間膜動静脈、門脈など)の解剖学。また、各臓器の標準的なエコー輝度(肝臓、腎臓皮質、膵臓など)の相対関係。