自己免疫疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体などに対する自己抗体が産生され、神経から筋肉への刺激伝達が障害されることで筋力低下を主症状とする代表的な自己免疫疾患です。
選択肢ごとの解説
- 1. アルツハイマー病は、脳細胞の変性により認知機能が徐々に低下する進行性の神経変性疾患です。アミロイドβやタウタンパクの蓄積が主な原因とされていますが、自己免疫機序は関与しません。正しくは:アルツハイマー病は神経変性疾患であり、自己免疫疾患ではありません。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、免疫系の関与を誤って想像するかもしれませんが、病態は異なります。混同注意:他の神経疾患や自己免疫性脳症と混同しやすいかもしれません。
- 2. 正解。重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され、神経から筋肉への信号伝達が阻害されることで筋力低下を引き起こす自己免疫疾患です。
- 3. クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常プリオンタンパクが原因で脳組織に海綿状変性が生じる、進行性の神経変性疾患です。自己免疫反応は病態に直接関与しません。正しくは:クロイツフェルト・ヤコブ病はプリオン病であり、自己免疫疾患ではありません。選びやすい理由:進行性の神経障害を呈するため、広い意味での「難病」として自己免疫疾患と誤解される可能性があります。混同注意:ウイルス性脳炎や他の神経変性疾患と混同しやすいかもしれません。
- 4. 進行性多巣性白質脳症(PML)は、JCウイルスがオリゴデンドロサイトに感染し、髄鞘が破壊されることで発症する中枢神経系の脱髄疾患です。免疫抑制状態の患者に多く見られ、自己免疫疾患ではありません。正しくは:進行性多巣性白質脳症はウイルス感染による脱髄疾患であり、自己免疫疾患ではありません。選びやすい理由:「白質脳症」という名称や、免疫不全と関連することから、自己免疫疾患と誤って関連付けられる可能性があります。混同注意:多発性硬化症のような自己免疫性脱髄疾患と混同しやすいかもしれません。
- 5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンが進行性に変性・脱落することで全身の筋力が低下する神経変性疾患です。自己免疫機序は病態の主要因ではありません。正しくは:筋萎縮性側索硬化症は神経変性疾患であり、自己免疫疾患ではありません。選びやすい理由:進行性の筋肉の疾患であり、筋力低下をきたすため、重症筋無力症のような自己免疫疾患と誤解される可能性があります。混同注意:重症筋無力症や多発性筋炎のような自己免疫性筋疾患と混同しやすいかもしれません。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な疾患についてその病態生理、特に免疫学的機序が関与するかどうかを問われることが多いです。自己免疫疾患については、代表的な疾患名を把握し、その特徴的な自己抗体や病変部位を理解しておく必要があります。特に神経・筋疾患の中には自己免疫性のものとそうでないものが混在するため、鑑別が重要です。
混同注意
神経変性疾患(アルツハイマー病、ALSなど)、プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病)、感染症による脱髄疾患(進行性多巣性白質脳症)など、病態が異なる様々な神経疾患と混同しやすいです。特に、筋力低下をきたす疾患群の中には自己免疫性(重症筋無力症、多発性筋炎)と非自己免疫性(ALS、筋ジストロフィー)が混在するため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問いが出た場合、各選択肢の疾患が「炎症」「変性」「感染」「自己免疫」のいずれの病態に属するかをまず判断します。自己免疫疾患であれば、具体的な自己抗体の有無や、免疫抑制療法が有効であるかなどを検討します。
関連知識
自己免疫疾患の診断には、血中の自己抗体測定が重要です。重症筋無力症では抗アセチルコリン受容体抗体や抗MuSK抗体などが検出されます。また、他の自己免疫疾患として、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、橋本病、バセドウ病、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、多発性硬化症なども基本的な知識として問われる可能性があります。