冠動脈の左前下行枝が灌流する左室壁はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
左前下行枝(LAD)は、左心室の前壁、心室中隔の約2/3(前側)、および心尖部に血液を供給する主要な冠動脈です。そのため、心尖部と前壁中隔はLADの典型的な灌流領域として挙げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 下壁への血流供給は、主に右冠動脈(RCA)または左回旋枝(LCX)によって行われるため、左前下行枝(LAD)の主要な灌流領域ではありません。正しくは:右冠動脈または左回旋枝が灌流する左室壁の例である。選びやすい理由:心臓の血管支配は複雑であるため、曖昧な知識だと判断がつきにくいかもしれない。混同注意:後壁や側壁の支配血管と混同しやすい。
- 2. 後壁への血流供給は、主に右冠動脈(RCA)の枝である後下行枝(PDA)または左回旋枝(LCX)によって行われます。左前下行枝(LAD)は前方と中隔を支配します。正しくは:右冠動脈の後下行枝または左回旋枝が灌流する左室壁の例である。選びやすい理由:広範囲な心臓の支配域の中で、特定の血管の支配域を正確に覚えるのが難しい。混同注意:右冠動脈の支配域と混同しやすい。
- 3. 側壁への血流供給は、主に左回旋枝(LCX)の鈍縁枝によって行われます。左前下行枝(LAD)は前方と中隔、心尖部が主な支配領域です。正しくは:左回旋枝が灌流する左室壁の例である。選びやすい理由:LADが左心室の大部分を支配するという漠然としたイメージから、側壁も含まれると誤解しやすい。混同注意:左回旋枝の支配域と混同しやすい。
- 4. 正解。左前下行枝(LAD)は、左心室の前壁、前室間中隔の2/3、そして心尖部に対して主要な血液供給を行います。心尖部はLADの末梢枝によって灌流される代表的な領域です。
- 5. 正解。左前下行枝(LAD)は、左心室の前壁と前室間中隔の大部分(約2/3)に血液を供給します。この「前壁中隔」は、まさにLADの主要な灌流領域を指しています。
国試ポイント
冠動脈(特に主要な3本、LAD, LCX, RCA)が心臓のどの領域に血液を供給するかは、循環器系の基本中の基本であり、心筋梗塞の部位診断や心電図変化の理解に直結するため、非常に頻繁に問われます。主要な血管とその支配領域を正確に結びつけて覚えることが重要です。
混同注意
左前下行枝(LAD)は「前」と「中隔」がキーワードですが、左回旋枝(LCX)が「側壁」や一部の「後壁」を、右冠動脈(RCA)が「右心室」「下壁」「後壁」を支配することと混同しやすいです。特に、中隔の支配は前2/3がLAD、後1/3がPDA(RCAの枝)という点も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各冠動脈(右冠動脈、左回旋枝)の主要な灌流領域を問われる可能性が高いです。また、特定の心電図誘導での変化から、責任血管や梗塞部位を特定させるような応用問題も想定されます。
関連知識
心筋梗塞の診断における心電図所見(V1-V4誘導のST上昇がLAD領域、II, III, aVF誘導のST上昇がRCA領域、I, aVL, V5, V6誘導のST上昇がLCX領域を示すなど)、心エコー検査における壁運動異常の部位と責任血管の関連。