患者と供血者の血液型の組合せで赤血球製剤の輸血によって急性溶血反応が起こるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ABO式血液型における輸血では、患者が持つ赤血球に対する抗体が最も重要です。患者O型は血漿中に抗A抗体と抗B抗体の両方を持っています。ここに供血者A型の赤血球(表面にA抗原を持つ)を輸血すると、患者の強力な抗A抗体が供血赤血球のA抗原と反応し、即座に溶血反応を引き起こします。これは最も重篤な急性溶血反応の原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者A型は赤血球表面にA抗原を持ち、血漿中に抗B抗体を持っています。供血者O型は赤血球表面にA抗原もB抗原も持たず、血漿中に抗A抗体と抗B抗体を持っています。O型の赤血球はA型患者にとって抗原とならないため、溶血反応は起こりにくいです。正しくは:この組み合わせは、O型赤血球が「普遍的なドナー」として機能するため、患者A型への輸血は一般的に安全です。選びやすい理由:血液型不適合の知識が曖昧な場合、組み合わせの多さに迷うかもしれません。混同注意:O型血漿中の抗A抗体がA型患者の赤血球と反応する可能性を混同するかもしれませんが、赤血球製剤では血漿成分は除去されているため問題になりません。
- 2. 患者B型は赤血球表面にB抗原を持ち、血漿中に抗A抗体を持っています。供血者O型は赤血球表面にA抗原もB抗原も持たず、血漿中に抗A抗体と抗B抗体を持っています。O型の赤血球はB型患者にとって抗原とならないため、溶血反応は起こりにくいです。正しくは:この組み合わせも、O型赤血球が「普遍的なドナー」として機能するため、患者B型への輸血は一般的に安全です。選びやすい理由:血液型不適合の原理を混同すると、どの組み合わせが危険か判断に迷うことがあります。混同注意:O型血漿中の抗B抗体がB型患者の赤血球と反応する可能性を考えるかもしれませんが、赤血球製剤では血漿成分は除去されています。
- 3. 正解。患者O型は赤血球表面にA抗原もB抗原も持たず、血漿中に抗A抗体と抗B抗体を持っています。供血者A型は赤血球表面にA抗原を持ちます。このA抗原は患者O型の持つ強力な抗A抗体によって認識され、抗原抗体反応が起こり、供血赤血球が破壊される急性溶血反応を引き起こします。
- 4. 患者AB型は赤血球表面にA抗原とB抗原を持ち、血漿中には抗A抗体も抗B抗体も持っていません。供血者A型は赤血球表面にA抗原を持ちます。患者AB型はA抗原に対して抗体を持たないため、供血者A型の赤血球は患者AB型にとって異物として認識されにくく、溶血反応は起こりにくいです。正しくは:この組み合わせは、AB型患者が「普遍的な受血者」として機能するため、A型赤血球の輸血は一般的に安全です。選びやすい理由:AB型がすべての血液型を受け入れられる「普遍的な受血者」であることを忘れると、血液型不適合を疑う可能性があります。混同注意:AB型患者がA抗原とB抗原の両方を持つため、どの血液型の赤血球も受け入れやすい、という原則と混同しやすいです。
- 5. RhD陰性の患者に初めてRhD陽性の赤血球を輸血した場合、通常、急性溶血反応は直ちには起こりません。RhD陽性赤血球は抗原として認識され、患者体内で抗D抗体が産生されます(感作)。この感作後に再びRhD陽性赤血球が輸血された場合に、抗D抗体による溶血反応が起こる可能性があります。急性溶血反応は主にABO式血液型不適合で起こります。正しくは:急性溶血反応を引き起こすのはABO式不適合が主であり、Rh式不適合は通常、初回輸血では感作にとどまり、2回目以降で溶血反応のリスクが高まります。選びやすい理由:Rh不適合も溶血反応の原因として有名なので、選択肢として選びやすいですが、「急性」溶血反応という条件を考慮するとABO不適合が優先されます。混同注意:Rh不適合による遅発性溶血反応や、妊娠中のRh不適合による新生児溶血性疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
ABO式血液型における輸血の原則、特に『赤血球製剤』の輸血時の溶血反応のリスクを問う問題です。患者の持つ抗体と供血者の赤血球抗原との関係性を正しく理解しているか確認されます。Rh不適合は急性溶血反応よりは感作や遅発性溶血反応、新生児溶血性疾患に関連することが多いため、急性溶血反応の主因はABO不適合であることを区別する点が重要です。
混同注意
Rh式血液型不適合による溶血性輸血副作用とABO式不適合による急性溶血反応を混同しやすいです。また、血漿製剤の輸血と赤血球製剤の輸血で考慮すべき抗体・抗原が異なる点も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合は、まず『急性溶血反応』が問われていることを確認し、ABO式血液型不適合、特に患者が持つ抗体と供血赤血球の抗原が直接反応する組み合わせに注目します。Rh不適合は、初回輸血での急性反応は稀であるという点を考慮に入れます。
関連知識
ABO式血液型の抗原抗体システム、オランダの法則、Rh式血液型における抗D抗体の重要性、交差適合試験の意義、血液製剤の種類(全血、赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤)とそれぞれの輸血適用。