血液製剤とその使用目的で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
赤血球液の最も重要な機能は、ヘモグロビンを介した酸素運搬であり、貧血時などに低下した末梢組織への酸素供給能力を改善するために使用されます。選択肢3はこの主要な使用目的を正しく述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. アルブミン製剤の主な目的は、血漿膠質浸透圧の維持や血漿量補給であり、栄養補給は主目的ではありません。栄養補給はアミノ酸製剤などが用いられます。正しくは:アルブミン製剤は、血漿膠質浸透圧の維持や血漿量補給を目的とする。選びやすい理由:アルブミンはタンパク質であり、タンパク質が栄養素であるため、栄養補給と誤解しやすい。混同注意:栄養製剤(アミノ酸製剤など)の目的と混同しやすい。
- 2. 新鮮凍結血漿は、凝固因子の補充が主目的であり、DICや肝疾患などで凝固能が低下している場合に用いられます。創傷治癒促進は主な目的ではありません。正しくは:新鮮凍結血漿は、凝固因子の補充を目的とする。選びやすい理由:血漿には様々な生理活性物質が含まれるため、創傷治癒にも関連があると思われやすいが、輸血製剤としての主目的ではない。混同注意:血漿中に含まれる成長因子などによる効果と、輸血製剤としての治療目的を混同しやすい。
- 3. 正解。赤血球はヘモグロビンを含み、酸素運搬の主要な役割を担っています。したがって、赤血球液の輸血は、貧血などにより末梢組織への酸素供給能が低下した場合に、酸素運搬能力を改善させることを目的とします。
- 4. 全血には赤血球、血小板だけでなく、血漿成分(凝固因子、アルブミンなど)も含まれています。赤血球液と血小板濃厚液だけでは、血漿中の成分を補うことはできません。したがって、全血の代用とはなりません。正しくは:赤血球液と血小板濃厚液の併用では、全血に含まれる血漿成分を補うことはできない。選びやすい理由:全血が赤血球と血小板と血漿で構成されていることから、二つの主要成分を補充すれば全血に近いと誤解しやすい。混同注意:全血と成分輸血の違い、および全血に含まれる主要成分の認識が不十分だと混同しやすい。
- 5. 手術前の患者では、出血リスクを考慮して血小板数を一定レベルに保つことが重要ですが、一般的に手術時の出血リスクを低減するための輸血適応は、血小板数5万/μL以下が目安とされています。10万/μLは輸血の目的ではなく、安全な手術が可能な一般的な基準値です。正しくは:血小板濃厚液は、手術前の患者において、出血リスク低減のために血小板数を5万/μL以上にすることを目的とする(状況により変動あり)。選びやすい理由:正常な血小板数の基準値が10万/μL以上であるため、安全な手術のためにその値を目指すと思われやすいが、輸血適応の基準値は異なる。混同注意:正常血小板数と輸血適応基準(カットオフ値)を混同しやすい。
国試ポイント
血液製剤の種類とそれぞれの主要な適応・使用目的を正確に理解しているかを問う問題です。各製剤が持つ特性と、それが治療においてどのような効果をもたらすかを把握することが重要です。特に、主目的ではないが関連がありそうな選択肢で誤りを誘導するパターンに注意が必要です。
混同注意
各血液製剤の持つ様々な成分が引き起こしうる副次的な効果と、輸血製剤として最も重視される治療目的とを混同しやすい。また、正常値や基準値と、治療介入の適応基準を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出た場合、各血液製剤の『主たる』効果と『具体的な』適応基準(数値を含む場合)に注目して判断する。特に、安易に連想できる効果(例:タンパク質だから栄養補給)が主目的であるかを確認する。
関連知識
全血輸血が現在ほとんど行われず、成分輸血が主流である理由。各成分輸血(赤血球液、血小板濃厚液、新鮮凍結血漿、アルブミン製剤など)の具体的な適応基準、リスク、副作用。