ABO式血液型判定で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
ABO式血液型判定は、医療安全の観点からオモテ検査とウラ検査の両方を実施し、その結果が一致することを確認することが必須です。また、部分凝集はABO亜型など特異な状況で出現するため、その可能性を考慮し精密検査を進める必要があります。他の選択肢は、血球濃度の設定、カラム法の感度、スライド法の判定時間など、基本的な検査手技や原理に関する誤りを含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. ウラ検査では被検者の血漿中に存在する抗A抗体や抗B抗体を確認するため、既知のA型およびB型赤血球を使用します。通常、これらの既知赤血球の濃度は2〜5%に調整されます。10%は高すぎます。正しくは:ウラ検査では、赤血球浮遊液を約2〜5%の濃度で調整して使用する。選びやすい理由:血球濃度調整の知識は必要だが、具体的な数値が正しいかどうかは細部知識なので判断が難しい。混同注意:オモテ検査とウラ検査の試薬や方法論の細かな違い。
- 2. 正解。ABO式血液型判定の基本原則として、オモテ検査(血球型)とウラ検査(血清型)の両方を実施し、その結果が一致することを確認することが義務付けられています。これにより、誤判定のリスクを最小限に抑えられます。
- 3. カラム凝集法は、スライド法や試験管法と比較して、微弱な凝集反応や部分凝集(mixed-field agglutination)を検出しやすい高感度な方法です。ゲル内での凝集状態によって、凝集の強弱が視覚的に判断できます。正しくは:カラム凝集法は、部分凝集のような弱い凝集反応も検出することが可能である。選びやすい理由:カラム法は自動化に向いているが、感度に関する知識が曖昧だと間違えやすい。混同注意:各検査法の感度や検出限界の違い。
- 4. 正解。部分凝集(mixed-field agglutination)は、ABO亜型(例:A2B型、Bm型、Ax型など)、キメラ、最近の輸血歴、造血幹細胞移植後など、様々な状況で発生します。特に亜型は抗原量が少なく凝集が弱いため、部分凝集として検出されることがあります。
- 5. スライド法では、血球と試薬を混和したのち2分以内に凝集の有無を判定します。5秒以内ではありません。正しくは:スライド法による判定では、判定用抗体を滴下してから1〜2分以内に結果を読み取る必要がある。選びやすい理由:スライド法は迅速な判定が特徴だが、具体的な判定時間が曖昧だと引っかかりやすい。混同注意:スライド法と試験管法の反応時間や判定時間。
国試ポイント
ABO式血液型検査の基本原則(オモテ・ウラ検査の実施)、検査結果の解釈(部分凝集の意義)、および各検査法の基本的な手技(血球濃度、判定時間)や特徴(カラム法の感度)を総合的に理解しているかが問われる。
混同注意
各検査法の細かい操作手順や試薬濃度、判定時間など、数値や詳細が混同しやすい。また、凝集の種類(完全凝集、部分凝集)とその原因の関連性も重要。
次に同じ論点が出たら
ABO式血液型検査で不一致が生じた場合の対応(例:亜型の鑑別、抗体スクリーニング、ABO型検査以外の検査項目追加)。
関連知識
ABO式血液型抗原・抗体の特徴、各血液型検査法(スライド法、試験管法、カラム凝集法、マイクロプレート法)の原理と長所・短所、ABO亜型の種類と特徴、輸血副作用。