リポ蛋白の表面部に存在しているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
リポタンパク質は、疎水性の脂質(トリグリセリド、コレステロールエステル)を内部コアに持ち、その周囲を両親媒性の脂質(リン脂質、遊離型コレステロール)とアポタンパク質が取り囲む構造をしています。表面に存在する成分は、水相と接触する部分であり、両親媒性または親水性である必要があります。選択肢1のレシチン(リン脂質)と選択肢4の遊離型コレステロールは、それぞれ親水性部分を持つため、リポタンパク質の表面に存在します。選択肢2の遊離脂肪酸はアルブミンと結合して運ばれることが多く、選択肢3のトリグリセリドと選択肢5のエステル型コレステロールは完全に疎水性であるため、リポタンパク質のコアに局在します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。レシチン(ホスファチジルコリン)はリン脂質の一種であり、リポタンパク質の表面を構成する両親媒性物質です。水溶性の部分を外側(水相側)に、疎水性の部分を内側(脂質コア側)に向けて配置し、リポタンパク質全体の安定化に寄与します。
- 2. 遊離脂肪酸は血漿中ではアルブミンと結合して輸送され、リポタンパク質の主要な構成成分ではありません。リポタンパク質に含まれる脂肪酸は、通常トリグリセリドやコレステロールエステルの形でコアに存在します。正しくは:遊離脂肪酸は主にアルブミンと結合して血漿中を輸送されるか、またはリポタンパク質の内部(コア)でトリグリセリドとして存在します。選びやすい理由:脂肪酸は脂質代謝と密接に関連するため、リポタンパク質の構成成分と誤解しやすいかもしれません。混同注意:リポタンパク質の構成成分であるトリグリセリドやコレステロールエステル中の脂肪酸と混同しやすいです。遊離脂肪酸そのものが表面にあるわけではありません。
- 3. トリグリセリドは非常に疎水性が高く、リポタンパク質の中心部(コア)に蓄えられています。表面に存在することはありません。正しくは:トリグリセリドはリポタンパク質の疎水性コアに存在します。選びやすい理由:トリグリセリドはリポタンパク質の主要な構成脂質の一つであるため、選びやすいですが、位置に注意が必要です。混同注意:リポタンパク質の構成成分ではあるものの、その局在(表面かコアか)を混同しやすいです。
- 4. 正解。遊離型コレステロール(非エステル型コレステロール)は、その水酸基が親水性であるため、リポタンパク質の表面に位置し、リン脂質と共に膜の安定性に関与します。一方、疎水性のステロイド環部分は脂質コアに向かいます。正しくは:遊離型コレステロールは、その両親媒性によりリポタンパク質の表面に存在します。選びやすい理由:エステル型コレステロールと混同しやすいですが、その親水性の違いが表面とコアの局在の違いになります。
- 5. エステル型コレステロールは水酸基が脂肪酸とエステル結合しているため、完全に疎水性となり、リポタンパク質の中心部(コア)に存在します。表面に存在することはありません。正しくは:エステル型コレステロールはリポタンパク質の疎水性コアに存在します。選びやすい理由:コレステロールの形態(遊離型かエステル型か)の違いが重要であることを理解していないと、遊離型と間違えて選んでしまう可能性があります。混同注意:遊離型コレステロールとエステル型コレステロールの構造的な違い(親水性の有無)とそのリポタンパク質内での局在を混同しやすいです。
国試ポイント
リポタンパク質の基本的な構造とその構成成分の局在(表面かコアか)に関する知識が問われています。特に、コレステロールの形態(遊離型とエステル型)による局在の違いを理解しているかが重要です。
混同注意
遊離型コレステロールとエステル型コレステロールの局在、およびトリグリセリドとリン脂質の局在。これらは全てリポタンパク質の構成成分ですが、疎水性の度合いによって存在する場所が異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各リポタンパク質の主要な構成脂質とその生理的役割、またはアポタンパク質の具体的な機能について問われる可能性があります。
関連知識
リポタンパク質の主な種類(カイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDL)とその機能。アポタンパク質の役割。リポタンパク質代謝酵素(LPL、HTGL、LCAT、CETP)とその作用。