自己免疫疾患でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
慢性肉芽腫症はNADPHオキシダーゼ複合体の遺伝子異常に起因する好中球の殺菌能障害であり、原発性免疫不全症に分類される疾患です。自己免疫疾患は、自身の組織や細胞を異物と誤認して攻撃する免疫系の異常であり、慢性肉芽腫症とは病態が根本的に異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 悪性貧血は自己免疫性胃炎によりビタミンB12の吸収が阻害されることで発症する自己免疫疾患です。正しくは:悪性貧血は自己免疫疾患である。選びやすい理由:貧血という症状から、自己免疫疾患というカテゴリと結びつけにくい場合があるかもしれません。混同注意:栄養欠乏性の貧血と混同しやすいですが、悪性貧血は自己免疫機序が関与します。
- 2. 皮膚筋炎は、皮膚と骨格筋に炎症を引き起こす全身性自己免疫疾患です。正しくは:皮膚筋炎は自己免疫疾患である。選びやすい理由:炎症性疾患であることは認識しやすいですが、それが自己免疫機序によるものか判断に迷う可能性があります。混同注意:他の炎症性筋疾患(例:多発筋炎)と混同することはありませんが、これらも自己免疫疾患の範疇に入ります。
- 3. 重症筋無力症は、アセチルコリン受容体に対する自己抗体によって神経筋接合部での伝達が障害される自己免疫疾患です。正しくは:重症筋無力症は自己免疫疾患である。選びやすい理由:筋力の低下という症状から、神経疾患や筋疾患として捉えがちですが、根底には自己免疫機序があります。混同注意:Lambert-Eaton筋無力症候群など、他の神経筋接合部疾患と混同することもありますが、これらも自己免疫性の機序を持つことがあります。
- 4. 正解。慢性肉芽腫症は、NADPHオキシダーゼ複合体の遺伝的異常により好中球の殺菌能力が低下する遺伝性疾患であり、自己免疫疾患ではありません。原発性免疫不全症に分類されます。正しくは:慢性肉芽腫症は原発性免疫不全症であり、自己免疫疾患ではない。選びやすい理由:「免疫不全」という言葉から、自己免疫疾患と関連があると誤解する可能性があります。また、「慢性」という言葉も、自己免疫疾患の多くが慢性経過をたどるため、混同を招くかもしれません。混同注意:自己免疫疾患(免疫の過剰反応)と原発性免疫不全症(免疫機能の低下)という、全く異なる免疫系の異常と混同しやすいです。
- 5. 慢性甲状腺炎(橋本病)は、甲状腺組織に対する自己抗体(抗サイログロブリン抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体など)により甲状腺機能低下をきたす代表的な自己免疫疾患です。正しくは:慢性甲状腺炎(橋本病)は自己免疫疾患である。選びやすい理由:甲状腺疾患は多岐にわたるため、自己免疫性のものと非自己免疫性のもの(例:バセドウ病も自己免疫疾患ですが、甲状腺腫瘍などは異なります)を区別する必要があるでしょう。混同注意:Basedow病(バセドウ病)も自己免疫性甲状腺疾患ですが、こちらは甲状腺機能亢進症を来します。慢性甲状腺炎は機能低下症を来す点で異なりますが、両者ともに自己免疫疾患です。
国試ポイント
この問題は、主要な自己免疫疾患の名称と、自己免疫疾患ではないが免疫に関連する他の疾患(特に免疫不全症)との区別を問うものです。疾患の名称だけでなく、その病態生理を理解しているかどうかが重要になります。
混同注意
自己免疫疾患と、遺伝性疾患や原発性免疫不全症候群など、免疫系に関連するが異なる病態を持つ疾患との混同。特に「免疫」というキーワードを含む疾患は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、まず疾患名から自己免疫疾患の典型例を想起できるか、次に自己免疫疾患と誤解しやすい他の免疫関連疾患の病態を正確に理解しているかを確認します。
関連知識
主要な自己免疫疾患のリストとそれぞれの特徴、原発性免疫不全症の分類と代表疾患(例:X連鎖無γグロブリン血症、重症複合免疫不全症など)、免疫系の基本的な機能と異常。