世代時間が最も長いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、細胞壁にミコール酸という特殊な脂質成分を持つため、栄養の取り込みや細胞分裂に時間がかかり、世代時間が他の一般的な細菌に比べて非常に長い(約15〜20時間)ことが特徴です。他の選択肢の細菌は、数十分から1時間程度の世代時間を持つものが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. セレウス菌の世代時間は約20~30分と比較的に短いです。正しくは:セレウス菌の世代時間は比較的短い(20~30分程度)ため、最も長いとは言えません。選びやすい理由:一般的な食中毒菌であり、増殖速度に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:他の一般的な食中毒菌の増殖速度と混同する可能性があります。
- 2. 大腸菌は非常に増殖が速い細菌として知られており、適切な環境下では約20分で世代交代します。正しくは:大腸菌の世代時間は約20分と極めて短いため、最も長いとは言えません。選びやすい理由:微生物学の基本的な知識として大腸菌がよく取り上げられるため、深く考えずに選びやすいかもしれません。混同注意:一般的な細菌の増殖速度の平均的なイメージと混同する可能性があります。
- 3. 正解。結核菌の世代時間は約15~20時間と、他の一般的な細菌に比べて非常に長いです。これは、細胞壁の特殊な構造(ミコール酸など)や代謝特性に起因すると考えられています。
- 4. 黄色ブドウ球菌の世代時間は約30分~1時間と比較的に短いです。正しくは:黄色ブドウ球菌の世代時間は比較的短い(30分~1時間程度)ため、最も長いとは言えません。選びやすい理由:食中毒の原因菌として有名であり、増殖速度に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:他の一般的な食中毒菌や化膿性菌の増殖速度と混同する可能性があります。
- 5. 腸炎ビブリオは、適切な環境(特に塩分濃度と温度)下では非常に速く増殖し、世代時間は約10分程度とされています。これは選択肢の中で最も短い部類に入ります。正しくは:腸炎ビブリオの世代時間は約10分と非常に短いため、最も長いとは言えません。選びやすい理由:速い増殖速度を持つが故に食中毒を起こしやすい菌として認識されていることが、かえって誤解を招く可能性があります。混同注意:海洋性細菌や食中毒菌の増殖特性に関する詳細な知識がないと、間違えやすい可能性があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、病原細菌の基本的な特性、特に増殖速度(世代時間)や培養条件に関する知識が問われることがあります。特に、増殖が遅い細菌(結核菌など)や特殊な培養条件を要する細菌は、鑑別点として重要視されます。各細菌の名称と代表的な特徴を関連付けて覚えることが重要です。
混同注意
一般的な細菌は数十分で分裂することから、その中で最も遅いものがどれかという点を正確に把握していないと混乱しやすいです。特に、病原性が高い細菌は増殖が速いという誤解から、結核菌を選びにくい可能性があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「この中で増殖が特に遅いことで知られている細菌はどれか?」という視点で選択肢を検討します。特に病原細菌の中でも特殊な代謝や細胞構造を持つものに注目すると良いでしょう。また、培養に時間がかかる細菌として記憶されているものもヒントになります。
関連知識
世代時間:細菌が分裂して個体数が2倍になるのに要する時間。細菌の種類、温度、pH、栄養源などの環境条件によって大きく変動する。結核菌の特殊性:ミコール酸を含む細胞壁は酸に強く(抗酸性染色)、栄養素の透過性が低いため増殖が遅い。この特性が分離・培養の困難さにも繋がっている。