正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血漿中の鉄は、毒性を発揮しないように、また効率的に運搬されるように、特異的なタンパク質であるトランスフェリンと結合して輸送されます。これにより、必要な細胞への鉄供給が調節されます。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘム中の鉄は、通常2価(Fe2+)の状態で酸素と結合します。3価の鉄(Fe3+)は酸素と結合できず、メトヘモグロビンとして機能しません。正しくは:ヘム分子には2価の鉄原子が含まれる。選びやすい理由:鉄は酸化還元反応に関わるため、価数の変化に意識が向きやすい。3価の鉄が存在するメトヘモグロビンの知識と混同しやすい。混同注意:2価鉄と3価鉄の生理学的役割、特に酸素結合能の違い。
- 2. 正解。トランスフェリンは血漿中で鉄を輸送する主要なタンパク質であり、鉄の過剰蓄積を防ぎつつ、必要な組織への供給を担っています。
- 3. 成熟赤血球はミトコンドリアを持たないため、クエン酸回路は機能しません。主に解糖系によってATPを産生します。正しくは:赤血球へのATP供給は主に解糖系による。選びやすい理由:生体内の主要なATP産生経路としてクエン酸回路が広く知られているため、一般的な知識として選択しやすい。混同注意:ミトコンドリアを持つ細胞と持たない細胞でのATP産生経路の違い。
- 4. pHが上昇する(アルカリ性になる)と、ヘモグロビンの酸素親和性が高まり、酸素飽和度は上昇します。pHが低下する(酸性になる)と酸素親和性が低下し、酸素飽和度が減少します(ボーア効果)。正しくは:ヘモグロビンの酸素飽和度は、pHが上昇すると増加する。選びやすい理由:ボーア効果の方向性を逆に覚えていたり、二酸化炭素濃度や体温の変化と混同したりしやすい。混同注意:ボーア効果(pHと酸素親和性の関係)と、その逆のハルデン効果(酸素飽和度と二酸化炭素親和性の関係)。
- 5. 健常成人のヘモグロビンの大部分(約95〜98%)はヘモグロビンA(HbA)であり、ヘモグロビンA2(HbA2)は約1.5〜3.5%程度しか占めません。正しくは:健常成人のヘモグロビンの約1.5〜3.5%をヘモグロビンA2が占める。選びやすい理由:ヘモグロビンの種類に関する知識はあるが、それぞれの割合を正確に覚えていない場合に、極端な数値に惑わされやすい。混同注意:ヘモグロビンA、ヘモグロビンF、ヘモグロビンA2の正常な割合。
国試ポイント
本問題は、鉄代謝、赤血球の代謝、ヘモグロビンの生理学といった、臨床検査技師国家試験における血液学の基礎知識を広範囲にわたって問うています。特に、各物質の生体内での機能や役割、関連する生化学経路、そして生理学的条件下での挙動を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
鉄の貯蔵形態(フェリチン、ヘモシデリン)と輸送形態(トランスフェリン)の違い、およびそれぞれの生理的役割。ヘモグロビンの各型(HbA, HbA2, HbFなど)の正常な割合。赤血球と他の細胞におけるATP産生経路の違い。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、鉄の結合・貯蔵・運搬タンパク質の種類と役割、赤血球のエネルギー代謝の特徴、ヘモグロビンの酸素親和性に影響を与える因子(pH, pCO2, 2,3-BPG, 体温)、主要なヘモグロビン分子の構成割合に注目して選択肢を判断する。
関連知識
鉄代謝の全体像(吸収、輸送、貯蔵、排泄)、赤血球成熟過程、ヘモグロビン構造と酸素結合のメカニズム、ボーア効果とハルデン効果、各種ヘモグロビン異常症(サラセミアなど)。