多剤耐性結核菌の判定に用いないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
多剤耐性結核菌(MDR-TB)の定義は、イソニアジドとリファンピシンの両方に対して耐性を示す結核菌です。そのため、これらの薬剤は必ず感受性検査の対象となります。また、第二選択薬として使用されるアミカシンやレボフロキサシンなども、治療方針決定のために感受性検査が行われます。一方、ストレプトマイシンはかつての主要な抗結核薬ですが、現在ではその使用頻度や重要性が低下しており、多剤耐性結核菌の判定のための標準的な感受性検査項目からは外れる傾向にあります。特にWHOのガイドラインでは、ストレプトマイシンの感受性検査はルーチンでは推奨されていません。
選択肢ごとの解説
- 1. アミカシンは注射薬として使用される結核治療薬であり、多剤耐性結核菌の治療において重要な選択肢となるため、感受性検査の対象です。正しくは:アミカシンは多剤耐性結核菌の判定に用いる抗菌薬です。選びやすい理由:他の薬剤と比較して使用頻度が低いと誤解される可能性がありますが、耐性菌治療では重要な薬剤です。混同注意:他の第二選択薬や、経口薬と注射薬の分類と混同することがあります。
- 2. イソニアジドは結核治療における主要な第一選択薬であり、その耐性は多剤耐性結核菌の定義(イソニアジドとリファンピシンへの耐性)に不可欠であるため、必ず感受性検査の対象となります。正しくは:イソニアジドは多剤耐性結核菌の判定に用いる抗菌薬です。選びやすい理由:第一選択薬としてあまりに基本的であるため、逆に「判定に用いない」と勘違いする可能性もゼロではありませんが、多剤耐性の定義そのものです。混同注意:主要薬ゆえに他の薬剤との区別はつきやすいですが、定義をしっかり理解していないと誤解する余地があるかもしれません。
- 3. リファンピシンは結核治療における主要な第一選択薬であり、その耐性は多剤耐性結核菌の定義(イソニアジドとリファンピシンへの耐性)に不可欠であるため、必ず感受性検査の対象となります。正しくは:リファンピシンは多剤耐性結核菌の判定に用いる抗菌薬です。選びやすい理由:イソニアジドと同様、非常に重要な薬剤であるため、誤って選ぶことは考えにくいです。混同注意:多剤耐性結核菌の定義において、イソニアジドとともに最も重要な薬剤であるため、混同することはありません。
- 4. レボフロキサシンはフルオロキノロン系抗菌薬であり、多剤耐性結核菌の治療において第二選択薬として広く用いられる重要な薬剤です。したがって、感受性検査の対象となります。正しくは:レボフロキサシンは多剤耐性結核菌の判定に用いる抗菌薬です。選びやすい理由:第一選択薬ではないため、判定に用いないと誤解する可能性がありますが、耐性菌の治療においては非常に重要です。混同注意:同じフルオロキノロン系の他の薬剤(モキシフロキサシンなど)や、他の第二選択薬と混同することがあります。
- 5. 正解。ストレプトマイシンはかつて結核治療の第一選択薬の一つでしたが、現在はアミカシンやカナマイシンなどのアミノグリコシド系薬剤が耐性菌治療の中心となっており、多剤耐性結核菌の標準的な感受性判定項目からは外れる傾向にあります。特に、WHOの最新の推奨では、ストレプトマイシンの耐性試験はルーチンで行わないことが推奨されています。選びやすい理由:古い知識を持っていると、ストレプトマイシンも重要な薬剤だと考えてしまう可能性があります。しかし、現在の基準では第一選択薬ではなく、感受性検査もルーチンでは行いません。混同注意:他のアミノグリコシド系薬剤(アミカシン、カナマイシンなど)や、第一選択薬と第二選択薬の分類、そして治療ガイドラインの変遷と混同しやすいです。
国試ポイント
多剤耐性結核菌の定義と、結核治療に使用される主要な薬剤の種類、特に第一選択薬と第二選択薬、および薬剤感受性検査の対象となる薬剤について理解しているかが問われています。最新の治療ガイドラインの知識も重要です。
混同注意
イソニアジド、リファンピシンが多剤耐性結核菌の定義に必須であることと、第二選択薬(アミカシン、レボフロキサシンなど)が治療選択のために感受性検査の対象となることを混同しやすい。また、昔は使われていたが現在は主流でない薬剤(ストレプトマイシン)と、現在も重要な第二選択薬(アミカシンなど)を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
結核治療薬の分類(第一選択、第二選択)、多剤耐性結核菌(MDR-TB)および超多剤耐性結核菌(XDR-TB)の最新の定義と、それぞれの感受性検査の対象となる薬剤について、国内外の主要なガイドラインに照らして確認する。
関連知識
結核の第一選択薬(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール)、第二選択薬(フルオロキノロン系、アミノグリコシド系、エチオナミドなど)、超多剤耐性結核菌(XDR-TB)の定義、迅速薬剤感受性検査(遺伝子検査など)。