骨髄穿刺液のMay-Giemsa染色標本(別冊No. 11)を別に示す。矢印の封入体のもととなる細胞内成分はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アウエル小体は、急性骨髄性白血病(AML)の骨髄球系細胞(主に前骨髄球)に特異的に見られる封入体であり、アズール顆粒が異常に融合して形成されます。May-Giemsa染色で赤紫色の桿状または針状に染まり、骨髄性白血病の診断に重要な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. DNAは細胞核内に存在し、主に遺伝情報の保持と伝達を担います。May-Giemsa染色では主に核が青紫に染まりますが、封入体として観察されるような形態ではありません。正しくは:封入体の元となる細胞内成分はアズール顆粒です。選びやすい理由:細胞成分であるため、全く無関係とは言えない点で、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:RNAや他の細胞内小器官の機能と混同する可能性があります。
- 2. RNAは細胞質や核小体に存在し、タンパク質合成に関与します。May-Giemsa染色では細胞質が好塩基性に染まる要因の一つですが、封入体として観察されるような構造ではありません。正しくは:封入体の元となる細胞内成分はアズール顆粒です。選びやすい理由:細胞成分であるため、全く無関係とは言えない点で、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:DNAや他の細胞内小器官の機能と混同する可能性があります。
- 3. 鉄顆粒(ヘモジデリン)は、骨髄中のマクロファージや赤芽球に見られることがありますが、May-Giemsa染色では通常は淡い黄褐色に見えるか、特別な鉄染色(Perls染色など)で青く染まります。問題の図で矢印が示す封入体とは異なります。正しくは:封入体の元となる細胞内成分はアズール顆粒です。選びやすい理由:骨髄で見られる顆粒状の物質であるため、判断を誤りやすいです。混同注意:鉄顆粒はMay-Giemsa染色で直接的に目立つものではなく、Perls染色で確認されるため、染色法の違いと混同しやすいです。
- 4. 紡錘体は細胞分裂時に染色体を分配する役割を持つ構造で、間期の細胞では通常観察されません。また、封入体として認識されるようなものではありません。正しくは:封入体の元となる細胞内成分はアズール顆粒です。選びやすい理由:細胞の構造の一部であるため、知識が不確かな場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:細胞分裂に関わる構造であり、一般的な細胞内封入体とは異なります。
- 5. 正解。骨髄球系の幼若細胞(前骨髄球など)に見られる封入体であるアウエル小体は、アズール顆粒が融合して形成されます。May-Giemsa染色で赤紫色の桿状または針状の構造として観察される特徴的な所見です。
国試ポイント
この問題は、May-Giemsa染色標本における特徴的な細胞内封入体であるアウエル小体(矢印の封入体)の形態と、その起源となる細胞内成分(アズール顆粒)に関する知識を問うものです。臨床検査技師国家試験では、血液細胞の形態学的な特徴、特に異常細胞の所見と診断的意義が頻出します。
混同注意
アウエル小体は、細胞質内の顆粒(アズール顆粒)が融合したものであり、核内の構造や、他の特定の染色法でしか見られない顆粒(例: 鉄顆粒)と混同しやすいです。また、過剰な顆粒沈着(例: リソソーム病)とは区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、アウエル小体が見られる疾患、その形態的特徴、およびMay-Giemsa染色以外の特殊染色での所見(例:ミエロペルオキシダーゼ染色陽性)など、より深掘りした知識が問われる可能性があります。また、他の白血病における特徴的な細胞内封入体(例:ALLのPAS染色)との比較も重要です。
関連知識
アウエル小体は急性骨髄性白血病(AML)の診断マーカーとして重要であり、特にAML-M1、M2、M3でよく見られます。May-Giemsa染色の原理、各種血球の成熟過程における形態変化、顆粒の分類(アズール顆粒、特異顆粒など)についても理解しておくことが重要です。