心エコーの傍胸骨左室長軸像(別冊No. 5)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像では心室中隔と左室後壁が著明に肥厚しており、特に心室中隔基部の肥厚が目立ちます。左室流入路が狭窄しており、典型的な非対称性中隔肥厚を呈していることから、肥大型心筋症が最も強く示唆されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 拡張型心筋症では、心室の拡大と収縮能の低下を認めますが、画像では左室は拡大しておらず、心室壁の肥厚が著明であるため、誤りです。正しくは:拡張型心筋症では、左室の拡大と収縮能の低下が特徴所見である。選びやすい理由:心疾患として一般的な病態であり、鑑別の選択肢として思いつきやすい。混同注意:肥大型心筋症と拡張型心筋症は病態が対照的であるため、混同しやすい。
- 2. 拘束型心筋症では、心室壁の肥厚が見られることもありますが、心内膜の線維化による拡張障害が特徴的であり、画像のような著明な非対称性心室中隔肥厚は典型的ではありません。正しくは:拘束型心筋症では、心内膜の線維化による拡張障害が特徴的であり、著明な非対称性中隔肥厚は稀である。選びやすい理由:心筋症の一種であり、心室壁肥厚を伴う他の病態と混同しやすい。混同注意:心アミロイドーシスなど心室壁肥厚を呈する疾患。
- 3. 正解。心室中隔と左室後壁が著明に肥厚しており、特に心室中隔基部の肥厚が目立ちます。左室流入路が狭窄しており、典型的な非対称性中隔肥厚を呈していることから、肥大型心筋症が最も強く示唆されます。
- 4. 高血圧性心疾患による左室肥大では、心室中隔と左室後壁が同程度に肥厚する対称性肥大が一般的です。画像では非対称性の肥厚が著明であるため、高血圧性心疾患の可能性は低いです。正しくは:高血圧性心疾患による左室肥大は、対称性肥大が一般的である。選びやすい理由:高血圧は心疾患の一般的な原因であり、左室肥大を呈するため、鑑別の選択肢として考慮されやすい。混同注意:肥大型心筋症と高血圧性心疾患による左室肥大は、心室壁肥厚を呈するという点で混同しやすい。
- 5. 心アミロイドーシスでは心室壁の肥厚が見られますが、心室壁全体が均一に肥厚する傾向があり、しばしば「granular sparkling」と呼ばれる心筋の輝度上昇を伴います。画像のような非対称性の著明な中隔肥厚は典型的ではありません。正しくは:心アミロイドーシスでは心室壁全体が均一に肥厚し、「granular sparkling」を伴うことが多い。選びやすい理由:心筋症の一種であり、心室壁肥厚を伴うため、鑑別の選択肢として思いつきやすい。混同注意:拘束型心筋症やその他の心室壁肥厚を伴う心疾患。
国試ポイント
心エコー図における心筋症の鑑別診断
混同注意
高血圧性心疾患による左室肥大も鑑別にあがるが、肥大型心筋症では一般的に心室中隔と左室後壁の肥厚の程度が異なり、非対称性であることが多い。
次に同じ論点が出たら
心エコー図で心室壁の肥厚を認めた場合、その肥厚のパターン(対称性か非対称性か、局所性か全体性か)や、左室流出路狭窄の有無、拡張能の評価などを総合的に判断して診断する。
関連知識
肥大型心筋症は遺伝性疾患が多く、心臓突然死の原因となることがある。診断には心エコーが必須であり、収縮能は保たれていることが多いが、拡張機能障害を呈する。