右上腹部超音波像(別冊No. 6)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
超音波画像において、内部が無エコーで境界が明瞭、後方エコー増強を伴う病変は、典型的な肝囊胞の所見です。肝膿瘍や肝腫瘍(血管腫、肝細胞癌、転移性肝癌)は、それぞれ異なるエコーパターンを示し、内部が無エコーとなることは通常ありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。超音波画像において、肝囊胞は内部が無エコー(真っ黒)で境界が明瞭、後方エコー増強を伴う特徴的な所見を示します。提示された画像はこの特徴と一致しており、最も考えられる診断です。
- 2. 肝膿瘍は一般的に内部が不均一な低エコーまたは混合エコーを示し、内部にデブリや液貯留が見られることがあります。境界は必ずしも明瞭ではなく、周囲に炎症性の変化を伴うことが多いです。画像所見とは異なります。正しくは:肝膿瘍であれば、内部は不均一な低エコーまたは混合エコーを示し、周囲に炎症所見が見られることが多い。選びやすい理由:内部に液体貯留があるという点で、嚢胞と混同する可能性はありますが、膿瘍は純粋な液体ではないためエコーレベルが異なります。混同注意:肝嚢胞(内部無エコー)と肝膿瘍(内部不均一な低エコー/混合エコー)の超音波所見
- 3. 肝血管腫は典型的には内部均一な高エコー結節として描出されることが多く、画像所見の無エコーとは異なります。大きなものでは中心部が低エコーとなることもありますが、全体が無エコーで後方エコー増強を伴うことは稀です。正しくは:肝血管腫であれば、典型的には内部均一な高エコー結節として描出される。選びやすい理由:良性病変という点では共通しますが、エコーパターンが全く異なります。混同注意:肝嚢胞(無エコー)と肝血管腫(高エコー)の超音波所見
- 4. 肝細胞癌は多様なエコーパターンを示しますが、一般的には低エコー、高エコー、モザイクパターンなど不均一な実質性病変として描出されます。無エコーで境界明瞭、後方エコー増強という所見とは異なります。正しくは:肝細胞癌であれば、多様なエコーパターンを示すが、実質性病変として描出され、内部無エコーではない。選びやすい理由:肝病変としてメジャーな疾患であるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:肝嚢胞(無エコー)と肝細胞癌(実質性病変)の超音波所見
- 5. 転移性肝癌も多様なエコーパターンを示しますが、多くは実質性病変であり、ターゲットパターンや低エコー結節、高エコー結節などとして描出されます。無エコーで境界明瞭、後方エコー増強を伴うことはありません。正しくは:転移性肝癌であれば、多様なエコーパターンを示すが、実質性病変として描出され、内部無エコーではない。選びやすい理由:肝細胞癌と同様に、肝病変としてメジャーな疾患であるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:肝嚢胞(無エコー)と転移性肝癌(実質性病変)の超音波所見
国試ポイント
超音波検査における代表的な肝疾患のエコーパターンを理解しているか、特に嚢胞性病変と実質性病変の鑑別ができるかが問われています。
混同注意
肝嚢胞、肝膿瘍、肝血管腫の超音波所見の鑑別。特に、内部の液体成分のエコーレベル(無エコー vs 低エコー/不均一エコー)や病変の境界、後方エコーの変化に着目する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず病変の内部エコーレベル(無エコーか、低エコーか、高エコーか、不均一か)、病変の境界の明瞭度、後方エコーの変化(増強、減衰、なし)を識別し、それぞれの所見がどの疾患に典型的かを判断することが重要です。
関連知識
肝嚢胞の診断基準、肝腫瘍(原発性・転移性)の超音波所見のバリエーション、肝膿瘍の超音波所見。超音波診断におけるアーチファクト(後方エコー増強、側方陰影など)の意義。