超音波検査で深度に応じて受信の感度を変える機能はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
STC (Sensitivity Time Control) またはTGC (Time Gain Compensation) は、超音波が体内を伝播する際に発生する減衰を補償するため、深さに応じて受信感度を変化させる機能です。これにより、浅部と深部でエコーレベルの差を調整し、全体的に均一な明るさの画像を得ることができます。ゲインは全深度にわたって一律の感度調整を行うのに対し、STC/TGCは深度依存的に感度を調整する点で異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. ガンマ補正は、超音波画像ではなく、表示される画像の明るさやコントラスト(階調)を調整する機能であり、受信感度を深度に応じて調整するものではありません。正しくは:「受信信号の深度に応じた感度調整とは異なります」選びやすい理由:画像の調整機能であるため、なんとなく超音波装置の機能の一つとして選んでしまう可能性があります。混同注意:深度に応じた感度調整機能(STC/TGC)やゲイン調整、ダイナミックレンジなど、超音波画像の調整に関連する他の機能と混同されやすいです。
- 2. ゲインは受信信号全体の増幅率(感度)を調整する機能ですが、深度に応じて感度を変化させるものではありません。全深度にわたって一律に感度を増減させます。正しくは:「深度に関わらず一様に受信感度を調整する機能です」選びやすい理由:「感度」というキーワードが含まれているため、感度調整の機能として誤って選んでしまいやすいです。混同注意:STC/TGCが深度に応じて感度を調整するのに対し、ゲインは深度に関係なく全体的な感度を調整するという違いを混同しやすいです。
- 3. フォーカシングは、超音波ビームの焦点を特定の深度に合わせることで分解能を向上させる機能であり、受信感度を深度に応じて調整する機能ではありません。正しくは:「超音波ビームの焦点を調整し、空間分解能を向上させる機能です」選びやすい理由:画像の鮮明度に関わる機能であるため、全体的な画像調整機能の一つとして誤解する可能性があります。混同注意:送信・受信の焦点調整と、信号の感度調整という全く異なる概念を混同しやすいです。
- 4. ダイナミックレンジは、装置が表示できる最も強い信号と最も弱い信号の強さの比率、つまり画像の信号強度範囲を指します。受信感度を深度に応じて調整する機能ではありません。正しくは:「表示可能な信号強度の範囲を指し、深度に応じた感度調整とは異なります」選びやすい理由:画像のコントラストや表示される情報量に影響するため、画像調整機能としてなんとなく選んでしまう可能性があります。混同注意:ゲインやSTC/TGCが信号強度そのものを扱うのに対し、ダイナミックレンジは「表示できる範囲」を扱うという違いを混同しやすいです。
- 5. 正解。STCは、超音波が深部へ伝わるにつれて減衰することを補償するために、受信信号の増幅率(感度)を深さに応じて調整する機能です。これにより、浅部から深部まで均一な明るさの画像が得られます。TGC (Time Gain Compensation) とも呼ばれます。
国試ポイント
超音波診断装置の基本機能に関する知識、特に各機能の役割と調整目的を正確に理解しているかが問われます。特にゲインとSTC/TGCの違いは頻出の論点です。
混同注意
ゲイン (Gain) とSTC (Sensitivity Time Control) またはTGC (Time Gain Compensation)。ゲインは受信感度全体の一律調整、STC/TGCは深度に応じた感度調整であるという違いが混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、STC/TGCの他にゲイン、ダイナミックレンジ、フォーカシングといった各機能の具体的な役割や調整が画像に与える影響について問われる可能性が高いです。また、それらの機能がそれぞれどのように異なるか、あるいはどの部位の描出に特に有効かといった応用的な知識も問われる可能性があります。
関連知識
超音波装置の主要な調整機能として、ゲイン、STC/TGC、フォーカシング、ダイナミックレンジ、コンプレッション、周波数などが挙げられます。それぞれの機能が画像のどの側面(明るさ、コントラスト、分解能、信号範囲など)に影響を与えるかを理解することが重要です。