血清に含まれないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
血清は血液が凝固した後に血餅を除去した上澄み液です。血液凝固因子の一つであるフィブリノゲンは、血液凝固の過程でフィブリンに変換されて血餅に取り込まれるため、血清中にはほとんど含まれません。一方、血漿は抗凝固剤を用いて血液凝固を阻止し、遠心分離で血球成分を除去した液体であり、フィブリノゲンは血漿中に存在します。
選択肢ごとの解説
- 1. アルブミンは血清中に最も多く含まれるタンパク質であり、膠質浸透圧の維持や物質輸送など重要な生理機能を持っています。正しくは:アルブミンは血清中の主要なタンパク質として常に存在します。選びやすい理由:血清タンパク質の代表的なものとして知られているため、含まれないと考えることは少ないでしょう。混同注意:特に混同しやすいものはありません。
- 2. γ-グロブリンは免疫グロブリン(抗体)の主成分であり、血清中に豊富に存在し免疫機能に不可欠です。正しくは:γ-グロブリンは血清中の重要な免疫関連タンパク質です。選びやすい理由:グロブリンという言葉から、様々な種類のタンパク質を連想し、その一部が含まれないと誤解する可能性もゼロではありません。混同注意:他のグロブリン(α1, α2, βグロブリン)と混同することはありませんが、これらも血清中に含まれます。
- 3. ハプトグロビンはα2グロブリンの一種で、血中の遊離ヘモグロビンと結合して腎臓からの排泄を防ぐ役割を持つ血清タンパク質です。正しくは:ハプトグロビンは血清中に常に存在するタンパク質です。選びやすい理由:あまりメジャーではない血清タンパク質であるため、含まれないものと誤って判断する可能性はあります。混同注意:トランスフェリンやセルロプラスミンなど、他の微量な血清タンパク質と混同する可能性がありますが、これらも血清中に含まれます。
- 4. 正解。フィブリノゲンは血液凝固に関わる重要なタンパク質ですが、採血後に血液が凝固する過程でフィブリンに変換され、凝固塊(血餅)の中に含まれてしまいます。そのため、凝固した血液から分離される『血清』中には、もはやフィブリノゲンとしては存在しません。正しくは:フィブリノゲンは血漿には含まれますが、血清には含まれません。選びやすい理由:血液凝固に関連する重要なタンパク質であるため、血液中に存在する=血清にもある、と短絡的に考えてしまう可能性があります。混同注意:『血漿』と『血清』の違いを理解していないと誤解しやすい選択肢です。フィブリノゲンは血漿中には存在します。
- 5. トランスフェリンはβ1グロブリンの一種で、鉄の輸送を担う血清タンパク質です。生体内で重要な役割を果たし、血清中に常に存在します。正しくは:トランスフェリンは血清中に常に存在するタンパク質です。選びやすい理由:ハプトグロビンと同様に、比較的専門的なタンパク質であるため、含まれないものと誤認する可能性も考えられます。混同注意:フェリチン(細胞内貯蔵鉄)やヘモシデリン(貯蔵鉄)と混同する可能性がありますが、トランスフェリンは血清中の鉄輸送タンパク質です。
国試ポイント
この問題は、血漿と血清の基本的な違い、特に血液凝固因子(フィブリノゲン)の有無に関する知識を問うものです。臨床検査技師にとって、検体の種類とそれに含まれる成分を正確に理解しているかは非常に重要です。
混同注意
『血漿』と『血清』という二つの概念は常に混同されやすいため、それぞれの定義と主成分の違いを明確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず『血清』と『血漿』の定義を思い出し、血液凝固に関わる成分がどちらに含まれるか、含まれないかを判断する。特にフィブリノゲンがキーワードとなる。
関連知識
血液凝固カスケード、血清タンパク質の主要な種類とその機能(アルブミン、グロブリン)、急性期反応物質(CRP, ハプトグロビンなど)、鉄代謝に関連するタンパク質(トランスフェリン、フェリチン)。