骨髄穿刺液のフローサイトメトリ法のCD45ゲーティング(別冊No. 12)を別に示す。黒い円で囲まれている部分の細胞はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
フローサイトメトリーにおけるCD45と側方散乱光(SSC)の組み合わせは、血液細胞を区別するための重要な指標です。骨髄芽球は、CD45の発現が低く(dim)、SSCも低いという特徴的なプロファイルを示し、この領域にゲートを設定することで白血病細胞などを解析します。リンパ球はCD45高発現・SSC低、単球はCD45中〜高発現・SSC中、顆粒球はCD45高発現・SSC高に位置します。赤芽球はCD45陰性またはごく低発現です。
選択肢ごとの解説
- 1. 単球はCD45の発現が中程度から高レベルで、側方散乱光(SSC)も中程度であり、ゲーティング図上では顆粒球とリンパ球の間に位置することが多いです。黒い円の領域とは異なります。正しくは:単球はCD45中~高発現、SSC中程度で、より中央よりに分布します。選びやすい理由:血液細胞のフローサイトメトリーにおける基本的な分布を理解していても、特徴的な低CD45発現を示す幼若細胞と混同する可能性があります。混同注意:他の成熟血液細胞(リンパ球、顆粒球)の分布と混同しやすいです。
- 2. 顆粒球はCD45の発現が非常に高く、側方散乱光(SSC)も高いため、ゲーティング図上では最も右上に位置します。黒い円の領域とは明らかに異なります。正しくは:顆粒球はCD45高発現、SSC高値の領域に分布します。選びやすい理由:白血球の一種であるため、他の白血球系細胞の分布と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:リンパ球や単球の分布と混同しやすいです。
- 3. 赤芽球はCD45が陰性または非常に低発現であり、フローサイトメトリーのCD45/SSC散布図では、一般的にCD45陰性領域の最下部に位置します。黒い円の領域はCD45が低発現ですが陽性であり、SSCも低いことから、赤芽球とは異なります。正しくは:赤芽球はCD45陰性またはごく低発現で、SSCも低い領域に分布します。選びやすい理由:CD45の発現が低い細胞である点は共通していますが、SSCの値やCD45の発現レベルのわずかな違いを見落とす可能性があります。混同注意:CD45陰性の前駆細胞や、CD45低発現の幼若骨髄系細胞と混同しやすいです。
- 4. 正解。骨髄芽球は、CD45の発現が低く(リンパ球や顆粒球よりも低い)、側方散乱光(SSC)も低いという特徴的な分布を示します。提示されたゲーティング図の黒い円で囲まれた領域は、まさにこの低CD45、低SSCの細胞集団に一致します。この領域には、急性骨髄性白血病(AML)などで増加する芽球が検出されます。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:他の幼若細胞や前駆細胞と混同しやすいため、正確なCD45とSSCの分布の理解が必要です。混同注意:赤芽球や前赤芽球、リンパ芽球などの他のCD45低発現細胞と混同しやすいですが、それぞれSSC値やCD45発現の相対的な強度が異なります。
- 5. リンパ球はCD45の発現が非常に高く、側方散乱光(SSC)が低いため、ゲーティング図上では最も左上に位置します。黒い円の領域とは、CD45の発現レベルが大きく異なります。正しくは:リンパ球はCD45高発現、SSC低値の領域に分布します。選びやすい理由:白血球の一種であるため、他の白血球系細胞の分布と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:顆粒球や単球の分布と混同しやすいです。
国試ポイント
フローサイトメトリーにおけるCD45発現と側方散乱光(SSC)を用いた白血球の細胞分画の同定について、特に幼若細胞の分布を正確に理解しているかが問われています。骨髄穿刺液の検体であるため、骨髄に存在する様々な成熟段階の細胞を区別する知識が求められます。
混同注意
CD45の低発現を示す細胞として、赤芽球やリンパ芽球、形質細胞なども挙げられますが、それぞれSSCや他の表面抗原の発現パターンが異なります。特に赤芽球はCD45陰性であり、本設問の黒丸領域のCD45低発現陽性細胞とは区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、CD45とSSCの組み合わせによる正常造血細胞の分布パターン(特に幼若細胞や異常細胞の典型的な分布)を正確に識別できるかを確認します。他の抗原との組み合わせによる多色フローサイトメトリーの解釈についても知識を深めておく必要があります。
関連知識
CD45抗原は白血球共通抗原とも呼ばれ、白血球系列細胞の分化段階によって発現量が変化します。造血幹細胞や前駆細胞はCD45低発現(dim)を示し、成熟するにつれて発現量が増加します。SSCは細胞の内部構造や顆粒の量に相関し、細胞の複雑性を示します。骨髄穿刺液では、これらの情報を用いて正常細胞と異常細胞(芽球など)を区別し、診断に役立てます。