腎臓の特殊染色標本(別冊No. 6)を別に示す。染色法はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Masson trichrome染色は、コラーゲン線維を青色に、細胞質や筋線維を赤色に、核を黒色に染め分ける多色染色法です。腎臓の病理診断では、糸球体硬化や間質の線維化の程度を評価するために広く用いられます。提示された画像で、線維成分が青く染め分けられている特徴から、Masson trichrome染色であることが最も適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. PAS反応は、基底膜やグリコーゲン、ムチンなどを赤紫色に染め分けますが、この画像で示されているような線維成分の染め分けとは異なります。正しくは:糸球体の基底膜や尿細管の刷子縁など、糖鎖を含む構造物を赤紫色に染色する際に用いられます。選びやすい理由:腎臓の病理診断でよく用いられる染色法の一つであるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:PAM染色や他の腎臓病理で使われる染色法と混同しやすいです。
- 2. PAM染色(過ヨウ素酸メセナミン銀染色)は、糸球体基底膜やメサンギウム基質、尿細管基底膜などを黒色に染め出し、銀親和性物質を強調しますが、画像は線維性組織を青色に染め分けており、PAM染色とは異なります。正しくは:腎臓病理では、糸球体基底膜の肥厚やスパイク形成などを観察するのに特に有用です。選びやすい理由:糸球体の詳細な構造評価に不可欠な染色法であるため、腎臓に関する問題では有力な選択肢に見えます。混同注意:PAS反応や他の銀染色法(例:Gomori's methenamine silver stain)と混同しやすいです。
- 3. PTAH染色(リンタングステン酸ヘマトキシリン染色)は、線維素や横紋筋を青色、膠原線維を赤褐色に染め分けますが、提示された画像で示されるような線維成分の染め分けとは異なります。特に、線維性組織が青色に染め分けられる特徴は、PTAH染色よりもMasson trichrome染色に近いです。正しくは:線維素や横紋筋の病変、グリア線維などを検出する際に使用されます。選びやすい理由:特殊な線維成分の同定に使われる染色法として、誤って選ばれる可能性があります。混同注意:Masson trichrome染色やHE染色と混同しやすいです。
- 4. トルイジンブルー染色は、主に肥満細胞の顆粒(ヘパリンなど)を異染性(赤紫色)に染め出すのに用いられ、また、軟骨組織の基質染色や核の染色にも使われます。画像で示される腎臓の組織構造や線維成分の染め分けとは異なる用途です。正しくは:肥満細胞の検出や、メタリッククロマジーを利用して特定の酸性多糖体を検出する際に用いられます。選びやすい理由:組織学的な特殊染色として知識があるため、腎臓の病理とは関係なく選択肢として考慮される可能性があります。混同注意:メチレンブルーなどの他の塩基性色素染色と混同しやすいです。
- 5. 正解。Masson trichrome染色は、結合組織(膠原線維)を青色または緑色に、筋線維や細胞質を赤色に、核を黒色に染め分ける特徴があります。腎臓の組織病理において、特に線維化の程度の評価に非常に有用です。下図の画像が膠原線維を青色に染め分けていることから、Masson trichrome染色であると判断できます。正しくは:この染色法は、腎臓の線維化、肝硬変、心筋梗塞後の瘢痕など、結合組織の増生を評価する際に広く利用されます。選びやすい理由:複数の組織成分を異なる色で染め分けるため、複雑な組織像の理解に役立ちます。混同注意:PTAH染色や他の線維染色(例:van Gieson染色)と混同しやすいです。
国試ポイント
画像問題として、特殊染色標本の基本的な染め分け(何が何色に染まるか)を理解しているか問われています。腎臓病理でよく用いられる主要な特殊染色(PAS、PAM、Masson trichromeなど)の識別に焦点を当てています。
混同注意
PAS反応、PAM染色、PTAH染色など、腎臓病理で用いられる他の特殊染色法との染め分けの違い。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、提示された画像における主要な構造(例:基底膜、膠原線維、細胞質)の色調に注目し、それぞれの特殊染色がどの成分を何色に染め分けるかという知識を適用して判断します。
関連知識
PAS反応:基底膜、グリコーゲン、ムチンなどを赤紫色に染色。PAM染色:糸球体基底膜などを黒色に染色(銀染色)。PTAH染色:線維素、横紋筋を青色に、膠原線維を赤褐色に染色。トルイジンブルー染色:肥満細胞顆粒(異染性)や軟骨基質を染色。