軟骨組織の特殊染色標本(別冊No. 7)を別に示す。染色法はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
軟骨組織の細胞外基質には酸性ムコ多糖が豊富に含まれており、これを特異的に青色に染め出すのはアルシアンブルー染色です。画像で軟骨基質が濃い青色に染色されていることから、本染色法が適切と判断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. アザン染色は結合組織のコラーゲン線維などを青く染め分けますが、軟骨のムコ多糖を特異的に染色するものではありません。特に画像のような強い青色を示す軟骨基質への染色はアザン染色では典型的ではありません。正しくは:軟骨基質(酸性ムコ多糖)の染色にはアルシアンブルー染色やトルイジンブルー染色が適しています。選びやすい理由:結合組織の染色法の一つであり、青色の染色像を呈することがあるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:結合組織染色全般(マッソントリクローム染色、ワンギーソン染色など)
- 2. ベルリンブルー染色は、体内の鉄(特にヘモジデリン)を検出するための染色法です。軟骨組織の構成成分を染め分ける目的では使用されません。正しくは:軟骨組織の酸性ムコ多糖を染めるには、アルシアンブルー染色などを用います。選びやすい理由:青色を示す染色法であるため、色から連想するかもしれませんが、対象物が全く異なります。混同注意:鉄染色、ヘモジデリン染色
- 3. 正解。アルシアンブルー染色は、酸性ムコ多糖(グリコサミノグリカン)を特異的に青色に染色する、軟骨組織の染色に適した方法です。軟骨の細胞外基質にはコンドロイチン硫酸などの酸性ムコ多糖が豊富に含まれており、下図の軟骨基質が濃い青色に染まっていることから、アルシアンブルー染色が最も適切と考えられます。
- 4. ムチカルミン染色は、粘液(特に上皮性ムチン)を赤色に染め出す染色法です。軟骨組織の主成分である酸性ムコ多糖とは異なる物質を対象とし、染色される色も異なります。正しくは:軟骨組織の酸性ムコ多糖を染めるには、アルシアンブルー染色などを用います。選びやすい理由:「ムチン」と「ムコ多糖」という言葉の類似性から混同しやすいですが、ムチンは糖タンパク質、ムコ多糖はグリコサミノグリカンであり、化学構造も存在部位も異なります。混同注意:ムチン染色、PAS染色
- 5. トルイジンブルー染色は、軟骨基質の酸性ムコ多糖を異染性(メタクロマジー)によって赤紫色に染めることができます。しかし、下図では軟骨基質が均一な青色に染まっており、異染性は確認できません。したがって、青色に染めるアルシアンブルー染色の方が適切です。もし選択肢に「トルイジンブルー染色(異染性)」とあれば考慮すべきですが、単純なトルイジンブルー染色だけでは画像から読み取れる情報と合致しません。正しくは:下図のような均一な青色染色であればアルシアンブルー染色が適切です。トルイジンブルー染色で異染性が見られる場合は赤紫色に染まります。選びやすい理由:トルイジンブルー染色も軟骨の酸性ムコ多糖を染める染色法であり、青い色素を用いるため、色調が近いと誤解しやすいかもしれません。しかし、その特徴は『異染性(赤紫色)』である点です。混同注意:アルシアンブルー染色、異染性
国試ポイント
軟骨組織の主要な染色法と、それぞれの染色対象および染色色を正確に理解しているかが問われています。特にアルシアンブルー染色とトルイジンブルー染色(異染性)の違いを区別することが重要です。
混同注意
アルシアンブルー染色(青色、正染性)、トルイジンブルー染色(赤紫色、異染性)、アザン染色(コラーゲン線維が青)。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず染色されている組織が何か(軟骨)、次にその組織のどの成分がどのような色に染まっているか(軟骨基質が青色)、そしてその色と成分を特異的に染め分ける染色法は何か、という流れで判断します。
関連知識
結合組織の分類、軟骨の種類(硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨)、各組織の主要な細胞外マトリックス成分、組織染色の原理(親和性、メタクロマジーなど)。