染色体異常とそれに伴う融合遺伝子との組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
t(9;22)(q34;q11.2)はフィラデルフィア染色体として知られる代表的な染色体転座であり、これによりBCR遺伝子とABL1遺伝子が融合し、BCR-ABL1融合遺伝子が形成されます。これは慢性骨髄性白血病(CML)の診断に不可欠なマーカーです。
選択肢ごとの解説
- 1. t(8;21)(q22;q22)の染色体異常に関連する融合遺伝子はRUNX1-RUNX1T1(旧AML1-ETO)です。CBFB-MYH11はinv(16)またはt(16;16)に関連します。正しくは:t(8;21)(q22;q22) と RUNX1-RUNX1T1選びやすい理由:両方とも急性骨髄性白血病(AML)における主要な染色体異常と融合遺伝子ですが、組み合わせが異なります。混同注意:t(8;21)とinv(16)それぞれの融合遺伝子を混同しやすいです。
- 2. t(9;11)(p21.3;q23.3)の染色体異常に関連する融合遺伝子はKMT2A-MLLT3です。PML-RARAはt(15;17)(q22;q12)に関連します。正しくは:t(9;11)(p21.3;q23.3) と KMT2A-MLLT3選びやすい理由:双方とも白血病における重要な融合遺伝子ですが、対応する染色体異常が異なります。混同注意:KMT2A(旧MLL)再構成とPML-RARAの関連染色体異常を混同しやすいです。
- 3. 正解。t(9;22)(q34;q11.2)はフィラデルフィア染色体として知られ、慢性骨髄性白血病(CML)や一部の急性リンパ性白血病(ALL)で特徴的に見られる染色体異常です。この転座によりBCR遺伝子とABL1遺伝子が融合し、BCR-ABL1融合遺伝子が形成されます。この組み合わせは正しいです。
- 4. t(15;17)(q22;q12)の染色体異常に関連する融合遺伝子はPML-RARAです。KMT2A-MLLT3はt(9;11)などのKMT2A再構成に関連します。正しくは:t(15;17)(q22;q12) と PML-RARA選びやすい理由:t(15;17)は急性前骨髄球性白血病(APL)という特徴的な疾患を、KMT2A-MLLT3も急性白血病で高頻度に見られる遺伝子であるため、関連が深そうに見えるかもしれません。混同注意:PML-RARAとKMT2A再構成それぞれの関連染色体異常を混同しやすいです。
- 5. inv(16)(p13.1q22)の染色体異常に関連する融合遺伝子はCBFB-MYH11です。RUNX1-RUNX1T1はt(8;21)に関連します。正しくは:inv(16)(p13.1q22) と CBFB-MYH11選びやすい理由:inv(16)とt(8;21)はともにAMLの良好な予後群に分類される主要な染色体異常であり、混同しやすいです。混同注意:inv(16)とt(8;21)それぞれの融合遺伝子を混同しやすいです。
国試ポイント
血液疾患、特に白血病における主要な染色体異常とその関連融合遺伝子について、正確な知識が問われています。それぞれの染色体異常と融合遺伝子、そして関連する疾患との組み合わせを確実に記憶しているかを確認する問題です。
混同注意
設問で提示されている染色体異常と融合遺伝子は、すべて白血病、特に急性骨髄性白血病(AML)や慢性骨髄性白血病(CML)において重要なマーカーであり、名称が似ているものや、臨床的意義が類似しているものも多いため、混同しやすいです。特に、RUNX1-RUNX1T1とCBFB-MYH11、KMT2A再構成とPML-RARAなど、関連する疾患は同じだが染色体異常と融合遺伝子の組み合わせが異なるものを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、疾患名(例:急性前骨髄球性白血病)と、その特徴的な染色体異常および融合遺伝子の組み合わせを問われる可能性が高いです。また、それぞれの融合遺伝子によって引き起こされる病態生理や、分子標的薬の対象となるか(例:BCR-ABL1に対するチロシンキナーゼ阻害薬)といった臨床応用に関する知識も確認しておくと良いでしょう。
関連知識
t(8;21)(q22;q22) → RUNX1-RUNX1T1 → AML M2; inv(16)(p13.1q22) または t(16;16)(p13.1;q22) → CBFB-MYH11 → AML M4Eo; t(15;17)(q22;q12) → PML-RARA → 急性前骨髄球性白血病 (APL, AML M3); t(9;11)(p21;q23) やその他のKMT2A再構成 (例: t(4;11), t(6;11), t(10;11)) → KMT2A-融合パートナー (例: KMT2A-MLLT3, KMT2A-AFF1, KMT2A-ELL) → AML, ALL; t(9;22)(q34;q11.2) → BCR-ABL1 → CML, ALL (Ph陽性)