Aspergillus fumigatusの模式図(別冊No. 16)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Aspergillus fumigatusの模式図において、矢印は分生子柄の先端に位置する特徴的な球状または棍棒状の膨大部を指しています。この構造は頂囊(vesicle)と呼ばれ、その表面からフィアライドが直接形成され、分生子を産生します。この菌種の同定において重要な形態学的特徴の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Aspergillus fumigatusの模式図において、分生子形成構造の先端に位置し、フィアライドやメツラが付着する膨らんだ部分が頂囊(vesicle)です。矢印はこの特徴的な構造を指しています。
- 2. 分生子(conidia)は、フィアライドの先端から連鎖状に形成される胞子です。矢印が指すのは分生子を形成する土台となる膨らみであり、分生子そのものではありません。正しくは:分生子は、フィアライドの先端に形成される小さな球状の胞子です。選びやすい理由:アスペルギルスは分生子を形成する真菌であるため、関連する用語として選択肢に入っている可能性があります。混同注意:頂囊、フィアライド、分生子柄などの他の構造と混同しやすいです。
- 3. メツラ(metulae)は、頂囊から直接伸びるか、フィアライドの下に位置する短い茎状の細胞で、フィアライドを支持します。一部のアスペルギルス属菌で見られますが、Aspergillus fumigatusでは頂囊から直接フィアライドが形成されるため、メツラは通常見られません(または非常に短い)。矢印は頂囊自体を指しています。正しくは:メツラは、頂囊から伸びてフィアライドを支持する短い構造です。選びやすい理由:アスペルギルス属の分生子形成構造の一部として知られているため、関連用語として選んでしまう可能性があります。混同注意:フィアライドや頂囊と混同しやすいです。
- 4. 分生子柄(conidiophore)は、菌糸から伸びて頂囊を支える茎状の構造全体を指します。矢印は分生子柄の先端にある膨らんだ部分、すなわち頂囊を指しており、分生子柄全体ではありません。正しくは:分生子柄は、菌糸から伸びて頂囊を支える長い軸状の構造です。選びやすい理由:分生子を形成する柄という大きな括りで捉えがちですが、矢印はより特定の構造を指しています。混同注意:頂囊や分生子形成構造全体と混同しやすいです。
- 5. フィアライド(phialides)は、頂囊から直接(またはメツラを介して)伸びるフラスコ状の細胞で、その先端から分生子を形成します。矢印が指しているのは、フィアライドが形成される土台となる、膨らんだ頂囊そのものです。正しくは:フィアライドは、頂囊から伸びて分生子を産生するフラスコ状の細胞です。選びやすい理由:アスペルギルス属の分生子形成の主要な部分であるため、選びやすいです。混同注意:頂囊やメツラと混同しやすいです。
国試ポイント
真菌、特にアスペルギルス属の形態学に関する知識が問われています。代表的な病原真菌であるAspergillus fumigatusの分生子形成構造(conidial head)の各部位の名称を正確に理解しているかが重要です。特に頂囊、フィアライド、分生子の位置関係とそれぞれの役割を把握しておく必要があります。
混同注意
アスペルギルス属の他の構造(分生子柄、フィアライド、分生子、メツラなど)と頂囊の区別が曖昧だと誤答につながります。特に、頂囊とフィアライド、または分生子柄全体と頂囊を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の形態学問題が出題された場合は、まず真菌の種類を特定し、その真菌の代表的な分生子形成構造(conidial head)や胞子形成様式を思い出す。次に、矢印が指す部位がどの構造に相当するかを正確に判断する。特に、膨らみ(頂囊)、茎(分生子柄)、フラスコ状突起(フィアライド)、胞子(分生子)の区別が重要です。
関連知識
アスペルギルス属の分類と病原性(例: アスペルギルス症)、他の重要な真菌(例: カンジダ、クリプトコッカス)の形態学的特徴、真菌の培養と鏡検による同定法。