プリオン蛋白が病原因子となる疾患はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
プリオン病は、正常なプリオンタンパク(PrPc)が異常な構造(PrPsc)に変化し、脳内に蓄積することで神経細胞が変性・死滅する疾患群です。この異常プリオンタンパク自体が感染性を持つ病原体として機能します。選択肢2のウシ海綿状脳症(BSE)はウシの、選択肢5のCreutzfeldt-Jakob病(CJD)はヒトの代表的なプリオン病であり、両者ともプリオンタンパクが病原因子となります。他の選択肢はそれぞれウイルス感染や遺伝子異常が原因であり、プリオン病ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルス感染によって引き起こされる疾患であり、プリオンタンパクが原因ではありません。正しくは:急性灰白髄炎の原因はポリオウイルスである。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、脳疾患と混同しやすいかもしれない。混同注意:神経変性疾患や脳炎の原因ウイルスとの混同。
- 2. 正解。ウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病)は、異常プリオンタンパクが脳内に蓄積することで引き起こされる、ウシの神経変性疾患です。これはプリオン病の代表例の一つです。
- 3. Burkittリンパ腫は、B細胞リンパ腫の一種で、多くの場合、EBウイルス感染とMYC遺伝子の転座が関連しています。プリオンタンパクとは無関係です。正しくは:Burkittリンパ腫はEBウイルス感染とMYC遺伝子転座に関連するB細胞リンパ腫である。選びやすい理由:悪性腫瘍という点で、他の原因と混同する可能性がある。混同注意:ウイルス性疾患や遺伝子異常を伴う疾患との混同。
- 4. 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、麻疹ウイルスに感染した後に発症する進行性の神経疾患で、プリオンタンパクは原因ではありません。正しくは:亜急性硬化性全脳炎は麻疹ウイルス感染の遅発性合併症である。選びやすい理由:神経系の進行性疾患であるため、プリオン病と誤解しやすい。混同注意:進行性の神経変性疾患や脳炎との混同。
- 5. 正解。Creutzfeldt-Jakob病(CJD)は、ヒトの代表的なプリオン病で、異常プリオンタンパクが脳に蓄積し、急速に進行する神経変性疾患を引き起こします。
国試ポイント
この問題は、プリオン病の代表的な疾患名と、その病原因子がプリオンタンパクであることを理解しているかを確認しています。疾患名とその原因病原体を正しく結びつける知識が求められます。特に人獣共通感染症としても重要なBSEとCJDは頻出です。
混同注意
神経変性疾患や進行性の脳炎など、症状が類似する他の疾患とプリオン病の原因を混同しやすい。特にウイルス性脳炎とプリオン病は、どちらも中枢神経系を侵すため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、プリオン病の病態生理(異常プリオンタンパクの複製メカニズム)や、プリオン病の種類(孤発性、遺伝性、感染性)、具体的な症状、診断方法、治療法(現時点では対症療法のみであること)について問われる可能性があります。また、特定動物由来製品の規制といった公衆衛生学的な側面も考えられます。
関連知識
プリオン病には、他にクールー病、致死性家族性不眠症、Gerstmann-Sträussler-Scheinker症候群などがあります。また、プリオンタンパクの構造変化とその病態メカニズム、人獣共通感染症としての側面(BSEと変異型CJD)についても理解しておく必要があります。