蛋白質の含有率が最も高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
リポ蛋白は密度によって分類され、一般的に密度が高いほど蛋白質の割合が高く、脂質の割合が低くなります。HDLは最も密度が高く、約半分の質量を蛋白質(主にアポリポ蛋白A-I)が占めています。そのため、選択肢の中で蛋白質含有率が最も高いのはHDLです。他のリポ蛋白は、カイロミクロン、VLDLがトリグリセリドを主成分とし、LDLがコレステロールエステルを主成分とします。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。HDLは血中リポ蛋白の中で最も密度が高く、その構成成分の約45〜55%を蛋白質が占めています。主な蛋白質はアポリポ蛋白A-Iであり、コレステロールを末梢組織から肝臓へ運ぶ役割(逆転送系)を担っています。
- 2. IDLはVLDLがリポ蛋白リパーゼによって代謝される過程で生成されるリポ蛋白です。コレステロールエステルとトリグリセリドの割合が比較的均等であり、蛋白質含有率はHDLやLDLよりも低い位置にあります。正しくは:IDLの蛋白質含有率は、HDLやLDLに比べて低い。最も高いのはHDLである。選びやすい理由:リポ蛋白の分類は密度によって行われるため、それぞれの構成成分の割合を正確に覚えていないと混同しやすい。IDLはLDLとVLDLの中間であるため、名前から中間的な位置と誤解し、相対的に高いと考えるかもしれない。混同注意:LDLやVLDLとの構成成分の比較、特にコレステロールやトリグリセリドの割合と混同しやすい。
- 3. LDLは主にコレステロールエステルを多く含み、蛋白質含有率は約20〜25%です。HDLよりも密度が低く、蛋白質の割合も低い特徴があります。正しくは:LDLの蛋白質含有率はHDLよりも低く、コレステロールエステルが主成分である。最も高いのはHDLである。選びやすい理由:LDLは「悪玉コレステロール」としてよく知られており、その重要性から構成成分も高いと錯覚しやすい。また、HDLの次に高い蛋白質含有率を持つため、選択肢として魅力的に映るかもしれない。混同注意:コレステロール含有率と蛋白質含有率を混同しやすい。
- 4. VLDLは主にトリグリセリドを多く含むリポ蛋白であり、蛋白質含有率は約10%程度と低いです。肝臓で合成され、内因性のトリグリセリドを末梢組織へ運搬します。正しくは:VLDLの主成分はトリグリセリドであり、蛋白質含有率は他の選択肢のリポ蛋白(特にHDL、LDL、IDL)に比べて低い。最も高いのはHDLである。選びやすい理由:リポ蛋白の主要な種類の一つであるため、知識の曖昧さから選んでしまう可能性がある。混同注意:カイロミクロンとの違い、特にトリグリセリド含有率の高さという点で混同しやすい。
- 5. カイロミクロンは食事由来のトリグリセリドを運搬する最も大きなリポ蛋白であり、その約90%以上がトリグリセリドで占められています。蛋白質含有率は最も低く、わずか1〜2%程度しかありません。正しくは:カイロミクロンの主成分はトリグリセリドであり、蛋白質含有率はリポ蛋白の中で最も低い。最も高いのはHDLである。選びやすい理由:サイズが最も大きいことから、何らかの成分の含有率が高いと誤解する可能性がある。混同注意:他のリポ蛋白、特にVLDLとの主成分(トリグリセリド)の共通点から、その相対的な蛋白質含有率の低さを認識しにくいことがある。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、リポ蛋白の分類(カイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDL)における主要な構成成分(トリグリセリド、コレステロール、蛋白質)の割合、それぞれの密度、そして生理的な役割(脂質運搬、動脈硬化との関連)について、知識を総合的に問われることが多いです。特に、どのリポ蛋白がどの成分を多く含むかという基本的な理解が重要となります。
混同注意
各リポ蛋白における蛋白質含有率と、コレステロール(遊離コレステロール、コレステロールエステル)やトリグリセリドの含有率を混同しやすい。また、リポ蛋白の密度とサイズ(カイロミクロンは最大だが最も低密度)の関係も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各リポ蛋白の『主成分』が何か、『密度』の大小関係、そして『関連するアポ蛋白質』の種類に注目して判断する。特に、HDLの蛋白質含有率の高さと、カイロミクロン・VLDLのトリグリセリド含有率の高さは頻出ポイントである。
関連知識
リポ蛋白の生理的役割(カイロミクロン:外因性トリグリセリド運搬、VLDL:内因性トリグリセリド運搬、LDL:コレステロール運搬、HDL:コレステロール逆転送系)。各リポ蛋白に含まれる主要なアポリポ蛋白(例:アポA-IはHDLに、アポB-100はVLDL, IDL, LDLに、アポB-48はカイロミクロンに、アポC-II, アポEは複数のリポ蛋白に存在)。