伝染性単核球症でみられる異型リンパ球の説明として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
伝染性単核球症はEBウイルス感染症であり、ウイルスは主にB細胞に感染します。この感染B細胞を排除するために、細胞傷害性T細胞(CTL)が強く活性化し増殖します。この活性化T細胞が、末梢血塗抹標本で特徴的な「異型リンパ球」として観察されます。これらは主にCD8陽性T細胞です。
選択肢ごとの解説
- 1. 異型リンパ球は主にウイルスに感染した細胞を排除しようと活性化したT細胞であり、ウイルスに感染したB細胞そのものではありません。正しくは:ウイルス感染細胞を排除しようと活性化したT細胞である。選びやすい理由:伝染性単核球症の原因であるEBウイルスがB細胞に感染するため、直接B細胞が異型化すると誤解しやすいです。混同注意:EBウイルスが感染するB細胞と、それに対抗して増殖・活性化するT細胞の役割。
- 2. 異型リンパ球の大部分は活性化したT細胞であり、NK細胞ではありません。NK細胞もウイルス感染防御に関わりますが、伝染性単核球症で特徴的に見られる異型リンパ球の主体ではありません。正しくは:ウイルス感染細胞を排除しようと活性化したT細胞である。選びやすい理由:NK細胞もウイルス感染防御において重要な役割を果たすため、関連があると感じやすいです。混同注意:T細胞とNK細胞の機能の違い。両者とも免疫細胞であり、ウイルス感染防御に関わるため混同しやすいです。
- 3. 正解。伝染性単核球症の異型リンパ球は、EBウイルスに感染したB細胞を排除しようと増殖・活性化した細胞傷害性T細胞(CTL)が主体であるため、この説明が正しいです。
- 4. 異型リンパ球は反応性(感染に対する免疫反応)のものであり、腫瘍性(悪性)のものではありません。ただし、EBウイルス感染は一部のリンパ腫のリスク因子ではあります。正しくは:EBウイルス感染細胞を排除しようと活性化したT細胞である。選びやすい理由:「異型」という言葉から、悪性細胞を連想しやすいためです。混同注意:良性の反応性異型と、悪性の腫瘍細胞(リンパ腫)。
- 5. 異型リンパ球は成熟したT細胞が活性化して形態が変化したものであり、未分化なリンパ芽球とは異なります。リンパ芽球は白血病などで見られます。正しくは:EBウイルス感染細胞を排除しようと活性化したT細胞である。選びやすい理由:「異型」という言葉から、幼若な細胞や未熟な細胞を連想しやすいためです。混同注意:成熟リンパ球の反応性異型と、未熟なリンパ芽球。
国試ポイント
伝染性単核球症における異型リンパ球の病態生理学的意義(何が異型化しているのか、なぜ異型化しているのか)を理解しているかが問われています。特に、EBウイルスがB細胞に感染することと、異型リンパ球が活性化T細胞であることの区別が重要です。
混同注意
EBウイルスがB細胞に感染するため、異型リンパ球が感染B細胞であると誤解しやすいですが、実際はそれに対抗するT細胞です。また、「異型」という言葉から悪性細胞や未熟な細胞を想像しやすいですが、伝染性単核球症においては良性の反応性変化です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず「伝染性単核球症」と「異型リンパ球」のキーワードからEBウイルス感染を連想し、異型リンパ球が「EBウイルス感染細胞を排除しようとする免疫細胞」であることを確認します。次に、この免疫細胞が「活性化T細胞」であることを識別できるかを確認します。
関連知識
伝染性単核球症の診断基準(発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹、異型リンパ球の出現、肝機能異常、血清異好抗体陽性など)、EBウイルスの特徴(B細胞指向性、潜在感染)、他のウイルス感染症(サイトメガロウイルス感染症など)でも異型リンパ球が出現する可能性。