血清ナトリウムイオンの測定に使用される電極はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
血清中のナトリウムイオン測定には、イオン選択性電極が用いられます。選択肢の『ガラス電極』は水素イオン(pH)だけでなく、特殊なガラス膜を用いることでナトリウムイオン測定にも応用されます。また、『クラウンエーテル電極』は、クラウンエーテル分子がナトリウムイオンを選択的に包接する性質を利用して、ナトリウムイオン選択性電極の感応膜として広く用いられています。一方、酵素電極は酵素反応を利用するものでナトリウムイオンの直接測定には不向きであり、バリノマイシン電極はカリウムイオン選択性電極、第4級アンモニウム塩電極は主に陰イオン選択性電極に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 酵素電極は、特定の酵素反応によって生成または消費される物質(例: グルコース、尿素、乳酸など)を測定するために使用されます。ナトリウムイオンの直接測定には適していません。正しくは:酵素電極は、特定の基質に特異的な酵素反応を利用して、その基質濃度を測定する電極です。選びやすい理由:様々な生体成分の測定に用いられるため、選択肢として紛らわしいかもしれませんが、測定原理が異なります。混同注意:イオン選択性電極と、測定原理が全く異なる電極の種類です。
- 2. 正解。ガラス電極は、水素イオン(pH測定)のほか、特定の組成のガラス膜を用いることでナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンの測定にも利用されます。特にpH測定で有名ですが、ナトリウムイオン測定にも使われます。混同注意:主にpH測定に使われるという印象が強いと、ナトリウムイオン測定に使われることに戸惑うかもしれません。しかし、ナトリウムイオン測定用のガラス電極は存在します。
- 3. バリノマイシンはカリウムイオンに特異的に結合する抗生物質で、カリウムイオン選択性電極の感応膜として使用されます。ナトリウムイオンの測定には適しません。正しくは:バリノマイシン電極は、カリウムイオンの測定に使用される電極です。選びやすい理由:イオン選択性電極の一種であり、カリウムイオンとナトリウムイオンは類似の陽イオンであるため、誤って選択しやすいかもしれません。混同注意:ナトリウムイオンとカリウムイオンの選択性。バリノマイシンがカリウム選択的であるという知識が重要です。
- 4. 正解。クラウンエーテルは、その環状構造内部のサイズや酸素原子の位置によって、特定の陽イオン(例: ナトリウムイオン、カリウムイオン)を選択的に包接する性質を持つ化合物です。この特性を利用して、ナトリウムイオン選択性電極の感応膜として使用されます。混同注意:イオン選択性電極の感応膜材料として、特定のイオンに対する選択性を持つ有機化合物(イオンイオノフォア)が使われることを理解していれば選択しやすいです。
- 5. 第4級アンモニウム塩は、主に陰イオン(例: 硝酸イオン、塩素イオン、特定の有機アニオン)選択性電極の感応膜として使用されることが多いです。ナトリウムイオンのような陽イオンの測定には通常用いられません。正しくは:第4級アンモニウム塩電極は、主に陰イオンの測定に使用される電極です。選びやすい理由:イオン選択性電極の一種であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:イオン選択性電極の種類と、それがどのイオン(陽イオンか陰イオンか、具体的な種類)に特異性を示すかの知識です。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な電解質(ナトリウム、カリウム、塩素など)の測定原理と、それに用いられるイオン選択性電極の種類や感応膜の材料について問われることが頻繁にあります。特に、各電極がどのイオンに特異性を持つかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
各イオン選択性電極がどのイオンに特異的であるか(例: バリノマイシンがカリウム、クラウンエーテルがナトリウム/カリウム、第4級アンモニウム塩が陰イオン)。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各イオン選択性電極が『どのイオン』を『どのような原理』で測定するのかを重点的に確認する。
関連知識
イオン選択性電極の測定原理(ネルンストの式)、pH測定用ガラス電極の原理、電位差測定法、各イオンイオノフォアの構造と選択性。