自己免疫疾患でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはX染色体連鎖劣性遺伝性の遺伝性疾患であり、筋細胞の構造タンパク質であるジストロフィンの異常によって筋組織が変性・壊死する疾患です。自己免疫反応が原因ではありません。一方、関節リウマチ、原発性胆汁性胆管炎、バセドウ病、1型糖尿病はすべて自己免疫疾患に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 関節リウマチは、自己の免疫系が関節滑膜を攻撃することで炎症を起こす自己免疫疾患です。正しくは:自己免疫疾患である。選びやすい理由:一般的な自己免疫疾患なので、知識があれば除外できるはずです。混同注意:他の炎症性疾患と混同する可能性がありますが、自己抗体(リウマトイド因子、抗CCP抗体)が特徴です。
- 2. 原発性胆汁性胆管炎は、自己の免疫系が肝臓の胆管細胞を攻撃し、慢性的な炎症と胆汁うっ滞を引き起こす自己免疫性肝疾患です。正しくは:自己免疫疾患である。選びやすい理由:名称から自己免疫疾患と判断しにくいかもしれませんが、抗ミトコンドリア抗体が特徴的です。混同注意:他の肝疾患(ウイルス性肝炎など)と混同する可能性があります。
- 3. バセドウ病は、自己の免疫系が甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体を刺激する抗体(TRAb)を産生し、甲状腺機能亢進症を引き起こす自己免疫疾患です。正しくは:自己免疫疾患である。選びやすい理由:甲状腺疾患は自己免疫性のものが多いという知識があれば、自己免疫疾患として判断できます。混同注意:他の甲状腺機能異常症(橋本病など)も自己免疫疾患ですが、病態は異なります。
- 4. 正解。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、遺伝子の異常(ジストロフィン遺伝子の変異)によって筋肉の構造タンパク質であるジストロフィンが欠損または異常になることで発症する遺伝性疾患であり、自己免疫疾患ではありません。正しくは:自己免疫疾患ではない。選びやすい理由:『進行性の筋力低下』という症状から、自己免疫性神経筋疾患(重症筋無力症など)と混同する可能性があります。混同注意:重症筋無力症、多発性筋炎/皮膚筋炎などの自己免疫性神経筋疾患。
- 5. 1型糖尿病は、自己の免疫系が膵臓のβ細胞を特異的に破壊することでインスリン分泌が著しく低下または消失する自己免疫疾患です。正しくは:自己免疫疾患である。選びやすい理由:糖尿病には1型と2型があり、1型が自己免疫性であるという知識があれば除外できます。混同注意:2型糖尿病(生活習慣病としての側面が強い)と混同する可能性があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な疾患について『自己免疫疾患であるか否か』を問う問題が頻繁に出題されます。特に、名前からは判断しにくい疾患や、症状が似ていても原因が異なる疾患(例:神経筋疾患)の区別が重要です。各疾患の基本的な病態生理と原因を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
自己免疫疾患と遺伝性疾患、あるいは自己免疫疾患と感染症・腫瘍性疾患など、異なるカテゴリーの疾患を混同しやすいです。特に、症状が類似していても病態機序が異なる疾患(例:筋力低下を示す自己免疫性疾患と遺伝性疾患)に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各選択肢の疾患がどのような病態を持つか(遺伝性か、感染性か、自己免疫性かなど)を明確に判断できるかを確認します。特に、自己抗体が関与するかどうかが判断の鍵となります。
関連知識
自己免疫疾患の共通する特徴(自己抗体の存在、免疫抑制療法による治療効果など)、主要な自己抗体の種類と関連疾患、遺伝性疾患の遺伝形式と原因遺伝子、病態生理学の基礎知識。