二形性真菌はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
スポロトリックス・シェンキイは、環境温度によって酵母型と菌糸型の間で形態を可逆的に変化させる典型的な二形性真菌です。通常、室温(約25℃)では菌糸型(カビ型)として存在しますが、生体内や37℃の環境下では酵母型に変化します。この特性が「二形性」として認識されています。
選択肢ごとの解説
- 1. アスペルギルス・フミガータスは主にカビ型で存在する糸状菌です。通常、酵母型には変化しません。正しくは:この真菌は二形性ではありません。選びやすい理由:一般的な病原真菌であるため、選択肢として目につきやすいかもしれませんが、二形性ではないため誤りです。混同注意:他の二形性真菌と混同される可能性があります。
- 2. カンジダ・アルビカンスは、宿主環境に応じて酵母型と仮性菌糸(または真菌糸)型の両方を形成しますが、これは厳密な意味での二形性真菌(環境温度によって酵母型と菌糸型を可逆的に変化させるもの)とは区別されることが多いです。ただし、近年では広義に二形性と表現されることもあります。国家試験の文脈では古典的な二形性真菌ではないと認識されています。正しくは:カンジダは古典的な意味での二形性真菌とは異なる特徴を持っています(主に酵母型ですが、条件により仮性菌糸や真菌糸を形成)。選びやすい理由:カンジダも形態変化を起こすため、この選択肢を選んでしまう可能性があります。特に、仮性菌糸の形成を知っている学生は二形性と誤解しやすいです。混同注意:古典的な二形性真菌と、条件に応じて形態を変える他の真菌(例:仮性菌糸を形成するカンジダ)の定義を混同する可能性があります。
- 3. エキソフィアラ・デルマティティディスは、黒色酵母や暗色菌糸を形成する真菌ですが、一般的な意味での二形性真菌(温度依存的に酵母型と菌糸型を明確に変化させるもの)ではありません。正しくは:この真菌は二形性ではありません。選びやすい理由:あまり馴染みのない真菌のため、判断に迷いやすいかもしれませんが、二形性ではないため誤りです。混同注意:酵母状形態も示すため、酵母型と菌糸型を行き来する二形性真菌と混同する可能性があります。
- 4. ミクロスポルム・カニスは皮膚糸状菌の一種で、常に菌糸型で存在し、動物やヒトの皮膚・毛髪・爪に感染します。酵母型には変化しません。正しくは:この真菌は二形性ではありません。選びやすい理由:皮膚真菌症の原因菌として有名ですが、二形性真菌ではないため誤りです。混同注意:他の一般的な病原真菌、特に二形性真菌と混同される可能性があります。
- 5. 正解。スポロトリックス・シェンキイは、二形性真菌の典型例です。低温環境(25℃前後)では菌糸型(カビ型)として増殖し、体温に近い高温環境(37℃)や宿主体内では酵母型に変化します。この温度による形態変化が特徴的です。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な病原真菌の種類と、特に二形性真菌の具体例を問う問題が頻出です。二形性真菌の定義(温度依存的な形態変化)と、その代表的な菌種(例:Sporothrix schenckii、Histoplasma capsulatum、Blastomyces dermatitidis、Coccidioides immitis/posadasiiなど)を正確に覚えているかが問われます。カンジダ・アルビカンスも形態変化を示しますが、古典的な意味での二形性とは区別されることが多い点も重要です。
混同注意
二形性真菌と、単に酵母型と仮性菌糸型の両方を示す真菌(例: Candida albicans)との区別。また、アスペルギルスのような一般的な病原性糸状菌と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、二形性真菌の定義(温度による形態変化)をしっかりと理解し、代表的な菌種を挙げられるかを判断します。特に、カンジダの位置づけに注意が必要です。
関連知識
代表的な二形性真菌:Sporothrix schenckii(スポロトリックス症)、Histoplasma capsulatum(ヒストプラズマ症)、Blastomyces dermatitidis(ブラストミセス症)、Coccidioides immitis/posadasii(コクシジオイデス症)。これらは全て、感染源(土壌など)では菌糸型、生体内では酵母型(またはスフェルール型)を示す。カンジダ・アルビカンスは酵母型が主だが、条件によって仮性菌糸や菌糸も形成するが、これは厳密には二形性とは区別される。