体内の鉄代謝について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
体内の鉄のほとんどはヘモグロビンとして存在しますが、余剰の鉄は主に肝臓や脾臓などでフェリチンと結合し、毒性の低い状態で貯蔵されます。これは鉄が過剰になると活性酸素を発生させ細胞を障害する可能性があるため、適切な貯蔵形態が必須となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常人の総鉄量は約3~4gであり、10gは誤りである。正しくは:健常人の総鉄量は約3~4gである。選びやすい理由:体内に存在する微量元素であるため、おおよその量を漠然と覚えていると、10gという数値も選択肢として選びやすい。混同注意:他の微量元素や体液量など、体内の各種成分の数値。
- 2. 体内の鉄の約2/3はヘモグロビンに含まれる。1/3は少なすぎる。正しくは:鉄の2/3はヘモグロビンに含まれる。選びやすい理由:ヘモグロビンが鉄の主要な存在形態であることは知っていても、具体的な割合が曖昧な場合、1/3も選択肢として魅力的に映る可能性がある。混同注意:鉄の他の貯蔵形態(フェリチン、ヘモジデリン)や酵素結合鉄の割合との混同。
- 3. 正解。鉄はフェリチンと結合することで、毒性の低い状態で細胞内に貯蔵される。フェリチンは水溶性の鉄貯蔵タンパク質である。選びやすい理由:正しい記述であるため、迷うことなく選べる。
- 4. トランスフェリンの血中濃度は比較的安定しており、日内変動は小さい。鉄結合能に関連する他の因子(血清鉄など)は日内変動を示すことがあるが、トランスフェリンそのものの濃度は大きく変動しない。正しくは:トランスフェリンは比較的安定しており、日内変動は小さい。選びやすい理由:血清鉄などの他の鉄関連指標が日内変動を示すため、トランスフェリンも同様に変動すると誤解しやすい。混同注意:血清鉄やTIBCなどの他の鉄代謝関連検査値の日内変動。
- 5. ミオグロビンはヘムタンパク質であり、1分子のヘムに1個の鉄原子が含まれるため、1個の鉄分子ではなく1個の鉄原子を含む。鉄分子という表現が誤り。正しくは:ミオグロビンは1個の鉄原子を含む。選びやすい理由:ミオグロビンが酸素運搬に関わるヘムタンパク質であることは知っていても、「分子」と「原子」の区別が曖昧だと選びやすい。混同注意:ヘモグロビンが4つのヘムを持ち、それぞれに1個の鉄原子を含むこと。また、鉄の「分子」と「原子」の概念。
国試ポイント
鉄の体内分布、貯蔵形態、輸送形態、そして関連タンパク質の機能と主な役割を理解する。特に、ヘモグロビン、フェリチン、トランスフェリンの区別が重要である。
混同注意
鉄の貯蔵形態(フェリチン)と輸送形態(トランスフェリン)を混同しやすい。また、鉄の総量や分布比率についても、具体的な数値と主要な存在場所を正確に覚える必要がある。
次に同じ論点が出たら
鉄の貯蔵、輸送、機能に関する問題であれば、フェリチンが貯蔵、トランスフェリンが輸送、ヘモグロビンが酸素運搬という各タンパク質の主要な役割をまず確認する。
関連知識
ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収経路の違い、鉄欠乏性貧血の病態生理、ヘモクロマトーシス、フェリチン、トランスフェリン飽和度(TIBC)、血清鉄などの検査値と臨床的意義。