グラム陽性菌とグラム陰性菌に共通する細胞壁の構成成分はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ペプチドグリカンは、細菌の細胞壁の主要な構造成分であり、グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に共通して存在します。グラム陽性菌では厚い層を形成し、グラム陰性菌では薄い層として存在しますが、その存在自体は両者に共通しています。
選択肢ごとの解説
- 1. タイコ酸はグラム陽性菌の細胞壁に特有の成分であり、ペプチドグリカン層に埋め込まれて菌体外に突出しています。グラム陰性菌には存在しません。正しくは:グラム陽性菌の細胞壁に存在する成分です。選びやすい理由:グラム陽性菌の主要な細胞壁成分として知られているため、細菌の細胞壁全体と混同しやすいかもしれません。混同注意:グラム陰性菌の外膜成分であるリポ多糖体と、細胞壁の特異的成分として混同することがあります。
- 2. リン脂質は細胞膜(全細菌に共通)やグラム陰性菌の外膜の主要な構成成分ですが、細胞壁の主要構成成分ではありません。特にペプチドグリカン層とは異なります。正しくは:リン脂質は細胞膜やグラム陰性菌の外膜の主成分であり、細胞壁の主成分ではありません。選びやすい理由:膜の主要成分であるため、細胞壁の構成と誤解しやすいです。特にグラム陰性菌の外膜の構成要素として知られているため。混同注意:細胞膜と細胞壁の構成成分を混同したり、グラム陰性菌の外膜を細胞壁の一部と誤解したりすることがあります。
- 3. リポ多糖体(LPS)はグラム陰性菌の細胞壁外膜に特有の成分であり、グラム陽性菌には存在しません。内毒素としての機能も持ちます。正しくは:グラム陰性菌の細胞壁外膜に存在する成分です。選びやすい理由:グラム陰性菌の細胞壁の重要な構成要素であり、病原性にも関わるため、主要な細胞壁成分として共通と誤解しやすいです。混同注意:グラム陽性菌のタイコ酸と同様に、グラム陰性菌に特有の細胞壁関連成分であるため、両者の特異性を混同しやすいです。
- 4. 正解。ペプチドグリカン(ムレイン)は、グラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁に共通して存在する主要な構造多糖です。両者の細胞壁の強度を保つ骨格を形成しています。
- 5. β-D-グルカンは主に真菌の細胞壁を構成する多糖であり、細菌の細胞壁の主要構成成分ではありません。正しくは:真菌の細胞壁に存在する成分です。選びやすい理由:多糖類であるため、細胞壁の構成成分であることは想像しやすいですが、細菌ではなく真菌の主要成分である点が見落とされやすいです。混同注意:細菌の細胞壁成分(ペプチドグリカン)と、真菌の細胞壁成分を混同することがあります。
国試ポイント
グラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁の構造の違いと共通点に関する基本的な知識が問われています。特に、共通する骨格成分としてのペプチドグリカンと、それぞれに特徴的な成分(タイコ酸、リポ多糖体)を区別できるかどうかが重要です。
混同注意
グラム陽性菌特有のタイコ酸と、グラム陰性菌特有のリポ多糖体が、細菌の細胞壁の共通成分であるペプチドグリカンと混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
グラム陽性菌と陰性菌の細胞壁を構成する各成分の有無、およびそれらの主な機能や臨床的意義(例:内毒素としての作用、抗生物質の標的)について理解しているかを確認する。
関連知識
グラム染色、外膜、内毒素、細胞壁合成阻害薬(ペニシリンなど)の作用機序