x-R管理図法で管理するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
x-R管理図法は、測定プロセスが統計的に管理されているか(安定しているか)を評価するために用いられます。管理図が管理限界を逸脱したり、特定のパターンを示したりする場合、それは測定プロセスに異常が発生したことを示唆します。この異常の原因として、標準液の劣化や分析機器の異常といった、測定系そのものの問題が挙げられます。これらは測定値の変動や偏りとして管理図上に現れるため、x-R管理図法で管理対象となります。
選択肢ごとの解説
- 1. x-R管理図法は、単一施設内での測定プロセスの安定性を評価するためのものであり、施設間の測定値の差を直接管理する目的ではありません。正しくは:施設間の差異を管理するには、外部精度管理調査などの異なる方法を用います。選びやすい理由:品質管理の目的と広くとらえがちですが、x-R管理図の適用範囲外です。混同注意:内部精度管理と外部精度管理の区別
- 2. 正解。標準液の劣化は、測定値のばらつきや偏りを生じさせ、x-R管理図の管理限界を逸脱する要因となるため、検出対象となります。
- 3. 検体採取の過誤は前処理段階での問題であり、x-R管理図法が対象とするのは主に分析段階での測定プロセスの変動です。検体採取の過誤は、分析値の異常として現れる可能性はありますが、管理図が直接的にその原因を特定するものではありません。正しくは:検体採取の過誤は、より広範な品質マネジメントシステムや標準作業手順書(SOP)の見直しによって管理されます。選びやすい理由:臨床検査全体の品質管理の一部ととらえがちです。混同注意:分析前、分析中、分析後の各段階での品質管理の役割
- 4. 正解。分析機器の異常は、測定値に系統誤差や偶然誤差の増大をもたらし、x-R管理図の管理限界を逸脱させる主要な原因となるため、管理対象となります。
- 5. パニック値(緊急性の高い異常値)の検出は、患者検体の測定結果に基づき、速やかな臨床判断を促すためのものであり、管理図法は測定プロセスの統計的管理が目的です。管理図はプロセスの異常を警告しますが、個々の患者検体の緊急度を判断する直接的なツールではありません。正しくは:パニック値の検出と報告は、患者報告システムと臨床医との連携によって行われます。選びやすい理由:異常値の検出という点で関連があるように見えますが、目的が異なります。混同注意:プロセス管理と個々の患者検体結果の解釈
国試ポイント
x-R管理図法が、どのような目的で、どのような事象の検出に用いられるかを理解しているかが問われています。特に、管理図が測定プロセスの『安定性』を評価するツールであること、そしてその安定性を損なう具体的な要因を把握していることが重要です。
混同注意
x-R管理図の目的(プロセス管理)と、他の品質管理の側面(施設間比較、前処理段階の管理、患者検体結果の解釈)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、x-R管理図法が『測定プロセスの変動』をモニタリングし、『安定性』を維持するためのツールであるという中心概念をまず確認し、選択肢がその概念に合致するかどうかを判断します。特に、測定システム自体に起因する要因(試薬、機器、操作)が管理対象となります。
関連知識
管理図の種類(x-R管理図、Shewhart管理図など)、内部精度管理と外部精度管理の違い、統計的プロセス管理(SPC)の基本原則、測定プロセスの誤差の種類(系統誤差、偶然誤差)。