健常成人の脳脊髄液について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
健常成人の脳脊髄液中の細胞成分は主にリンパ球であり、総細胞数は非常に少なく、通常は1μLあたり5個以下です。これは、脳脊髄液が中枢神経系の環境を維持するために、細胞成分が厳密に制御されているためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常成人の脳脊髄液は無色透明であるため誤りです。正しくは:色調は無色透明である。選びやすい理由:くも膜下出血などの病態で脳脊髄液が黄色を呈することがあるため、その知識と混同しやすいです。混同注意:黄変(キサントクロミー)
- 2. 健常成人の脳脊髄液の糖濃度は血漿の約60~80%であり、約10%という記載は誤りです。正しくは:糖濃度は血漿の約60~80%である。選びやすい理由:他の体液との相対的な濃度の違いを覚え間違いやすいです。混同注意:具体的な比率、病態時の糖濃度低下(例:細菌性髄膜炎)
- 3. 健常成人の脳脊髄液の蛋白濃度は血清の約1%程度(血清約6-8g/dLに対し、脳脊髄液は15-45mg/dL)であり、約10%という記載は誤りです。正しくは:蛋白濃度は血清の約1%程度である。選びやすい理由:糖濃度と同様に、具体的な比率を覚え間違いやすいです。混同注意:具体的な比率、病態時の蛋白濃度増加(例:髄膜炎、腫瘍)
- 4. 正解。健常成人の脳脊髄液中の細胞成分は主にリンパ球が主体であり、総細胞数は非常に少ないです。選びやすい理由:特にありません。正しい記述です。混同注意:髄膜炎などの炎症性疾患における好中球の増加
- 5. 健常成人の脳脊髄液のクロール濃度は血清より高値であるため誤りです(血清より約15~20%高い)。正しくは:クロール濃度は血清より高値である。選びやすい理由:電解質の濃度差を覚え間違いやすいです。混同注意:他の電解質(ナトリウム、カリウムなど)の濃度
国試ポイント
健常脳脊髄液の基本的な性状(色調、細胞成分、主要な電解質・糖・蛋白濃度)を正確に覚える。
混同注意
脳脊髄液の異常所見(炎症時の細胞増加、出血時の黄色調など)と健常時の性状を混同しないこと。
次に同じ論点が出たら
脳脊髄液に関する問題が出た際は、まず健常成人における基準値や特徴を想起し、その上で示された選択肢が健常時のものか、あるいは何らかの病態を想定しているのかを判断する。
関連知識
髄膜炎や脳出血などの疾患で脳脊髄液の性状がどのように変化するか(例:細菌性髄膜炎では好中球優位、蛋白増加、糖減少;ウイルス性髄膜炎ではリンパ球優位、蛋白軽度増加)。