肝硬変の症候に含まれないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下肢静脈瘤は肝硬変の主要な症候として直接的に含まれるものではありません。肝硬変では門脈圧亢進症により食道・胃静脈瘤や腹壁静脈瘤(メデューサの頭)などが特徴的にみられますが、下肢静脈瘤は立ち仕事や遺伝的要因など、肝硬変とは異なる機序で発症することが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 脾腫は門脈圧亢進症によって脾臓への血流がうっ滞し、脾機能亢進症を来すため肝硬変でよく見られる症候です。選びやすい理由:肝硬変でよく見られるため、誤りとは考えにくい。混同注意:脾臓の腫大を伴う他の疾患(例:血液疾患、感染症)
- 2. 正解。下肢静脈瘤は肝硬変の直接的な症候ではありません。肝硬変では門脈圧亢進症により食道・胃静脈瘤などが特徴的です。正しくは:肝硬変では食道静脈瘤や胃静脈瘤がみられる。選びやすい理由:静脈瘤という言葉から、門脈圧亢進症によるものと誤解しやすい。混同注意:食道静脈瘤や胃静脈瘤などの門脈圧亢進症による静脈瘤
- 3. 血小板減少は門脈圧亢進症による脾腫とそれに伴う脾機能亢進症により、脾臓で血小板が破壊・捕捉されるため肝硬変でよく見られます。選びやすい理由:肝硬変でよく見られるため、誤りとは考えにくい。混同注意:汎血球減少症、他の血小板減少症の原因
- 4. ICG15分停滞率上昇は、インドシアニングリーン(ICG)という色素が肝臓で代謝・排泄されるため、肝機能が低下している肝硬変では排泄が遅延し上昇します。これは肝予備能の指標となります。選びやすい理由:肝機能検査として重要であるため、誤りとは考えにくい。混同注意:他の肝機能検査(例:ALT, AST, アルブミン)
- 5. コリンエステラーゼ(ChE)は肝臓で合成される酵素であり、肝硬変による肝機能低下が進むと合成能が低下するため低値を示します。これも肝予備能の指標となります。選びやすい理由:肝機能検査として重要であるため、誤りとは考えにくい。混同注意:他の肝機能検査(例:プロトロンビン時間、血清アルブミン)
国試ポイント
肝硬変の主要な合併症と症状を理解し、門脈圧亢進症による症状と肝機能低下による症状を区別して覚えること。
混同注意
門脈圧亢進症による静脈瘤と、一般的な静脈瘤(例:下肢静脈瘤)の発生機序を混同しやすい。肝硬変に関連する静脈瘤は門脈系と体循環系のシャント形成によるものであり、下肢静脈瘤は主に表在静脈の弁不全によるものです。
次に同じ論点が出たら
肝硬変の症候を問う問題が出た場合、門脈圧亢進症、肝機能低下、肝不全の3つのカテゴリーに分けて関連症状を検討し、それぞれの機序を想起して判断します。
関連知識
肝硬変の三大合併症:肝性脳症、食道・胃静脈瘤破裂、肝細胞癌。その他、腹水、黄疸、クモ状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房、肝性口臭、出血傾向なども関連知識として覚えるべきです。