心周期現象の圧曲線模式図(別冊No. 2)を別に示す。大動脈圧曲線はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
大動脈圧は左心室が収縮して駆出される血液により上昇し、その後大動脈弁が閉鎖することで切痕(dicrotic notch)を形成し、拡張期圧を維持しながら徐々に下降する。選択肢①は収縮期圧が約120mmHg、拡張期圧が約80mmHgであり、収縮期に最大圧に達した後、切痕を伴いながら拡張期に緩やかに下降する典型的な大動脈圧波形を示しているため正しい。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。大動脈圧は、左心室駆出期の収縮期圧(約120mmHg)と、大動脈弁閉鎖後の切痕、および拡張期圧(約80mmHg)を特徴とする。この波形はそれらすべてを満たしている。選びやすい理由:特になし。大動脈圧の典型的な波形であり、迷う要素は少ない。混同注意:左心室圧(収縮期は類似するが拡張期は異なる)、肺動脈圧(圧レベルが低い)
- 2. 選択肢②は収縮期圧が大動脈圧とほぼ同じ高さまで上昇するが、拡張期にはほぼ0mmHgまで低下している。これは左心室圧の波形である。正しくは:これは左心室圧を示す。選びやすい理由:収縮期圧が大動脈圧とほぼ一致するため、大動脈圧と混同しやすい。混同注意:大動脈圧。拡張期の圧が大きく異なる。
- 3. 選択肢③は収縮期圧が約25mmHg、拡張期圧が約10mmHg程度の圧波形であり、右心室が収縮して肺動脈に血液を送り出した際の肺動脈圧の波形である。正しくは:これは肺動脈圧を示す。選びやすい理由:大動脈圧と同様に切痕を持つため、大動脈圧と混同しやすいが、圧の絶対値が大きく異なる。混同注意:大動脈圧。圧レベルが大きく異なる。
- 4. 選択肢④は圧が低く、収縮期にわずかに上昇する波形を示しており、右心房圧または左心房圧の波形に類似している。正しくは:これは右心房圧または左心房圧を示す。選びやすい理由:他の曲線と形が異なるため、一見して誤りと判断しやすいが、心房圧であることを連想しにくい場合がある。混同注意:心室圧、大動脈圧、肺動脈圧(これらははるかに高い圧を示す)
- 5. 選択肢⑤は圧が非常に低く、右心室圧とほぼ同じタイミングで圧が上昇しているが、その圧レベルは心室圧よりも低い。これは心房圧、特に右心房圧に近いと考えられる。正しくは:これは右心房圧を示す。選びやすい理由:選択肢④と同様に、低い圧であるため心房圧と推測できるが、具体的な心房の区別は波形のみからでは困難な場合がある。混同注意:他の圧曲線。特に心室圧や大動脈圧とは圧レベルが大きく異なるため、混同は少ない。
国試ポイント
心周期における各部位の圧波形の特徴と相対的な関係を理解しているか。
混同注意
左心室圧と大動脈圧は収縮期にはほぼ一致するが、拡張期には大動脈圧が拡張期圧を維持するのに対し、左心室圧はほぼ0mmHgまで低下する点で区別される。また、肺動脈圧は右心室圧と類似するが、圧レベルが低い点で区別される。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、まず各曲線の最大圧と最小圧の絶対値と相対関係を確認する。次に、波形の特徴、特に切痕の有無や立ち上がり・下降の形状を照合する。
関連知識
心周期では、心房収縮→等容性収縮→駆出→等容性弛緩→急速流入→緩徐流入という順でイベントが進行し、これに伴い各心腔および大血管の圧が変動する。心音(I音、II音)もこれらの圧変動と関連している。I音は房室弁閉鎖、II音は大動脈弁・肺動脈弁閉鎖に対応する。