細菌感染による敗血症で上昇しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
細菌感染による敗血症において、CRP、プレセプシン、エンドトキシン(グラム陰性菌感染時)、プロカルシトニンはいずれも血中濃度が上昇する診断マーカーです。(1→3)-β-D-グルカンは真菌の細胞壁成分であり、主に真菌感染症の診断に用いられるため、細菌感染による敗血症では通常上昇しません。
選択肢ごとの解説
- 1. CRPは炎症反応の急性期マーカーであり、細菌感染による敗血症では肝臓での産生が誘導され、血中濃度が著しく上昇します。正しくは:上昇します。選びやすい理由:炎症マーカーとして広く知られているため、敗血症での上昇は自然な連想です。混同注意:他の感染症マーカーとの相対的な上昇度合いや特異性について混乱する可能性はありますが、上昇すること自体は疑いの余地がありません。
- 2. プレセプシンは細菌感染症、特に敗血症の診断マーカーとして注目されており、感染の重症度と相関して血中濃度が上昇します。正しくは:上昇します。選びやすい理由:比較的新しいマーカーであるため、その特性について知識が不足していると判断を誤る可能性がありますが、実際には敗血症で上昇します。混同注意:他の敗血症マーカー(プロカルシトニンなど)と混同し、どちらがより特異的か、またはどちらがより早期に上昇するかといった点で混乱するかもしれませんが、上昇する点では共通です。
- 3. エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁成分であり、これらの菌による敗血症では血中に放出され、その濃度が上昇します。グラム陰性菌性敗血症の診断に有用です。正しくは:上昇します。選びやすい理由:グラム陰性菌限定のマーカーであるため、グラム陽性菌による敗血症では上昇しないことから、この選択肢を疑うかもしれませんが、問題文は「細菌感染による敗血症」と全体を指しています。グラム陰性菌による敗血症が存在する以上、上昇する可能性はあります。混同注意:(1→3)-β-D-グルカンとの区別や、グラム陽性菌感染時とグラム陰性菌感染時のマーカー選択で混同しやすいかもしれません。
- 4. プロカルシトニンは細菌感染症、特に敗血症や全身性炎症反応症候群(SIRS)で著しく血中濃度が上昇する特異性の高いマーカーです。正しくは:上昇します。選びやすい理由:敗血症診断における重要なマーカーとして広く認識されており、上昇することはほぼ常識的な知識です。混同注意:ウイルス感染では上昇しにくいという特性から、細菌感染症との鑑別における重要性を理解していないと混乱するかもしれませんが、細菌性敗血症では明らかに上昇します。
- 5. 正解。(1→3)-β-D-グルカンは主に真菌の細胞壁に存在する成分であり、真菌感染症、特に深在性真菌症の診断マーカーとして用いられます。細菌感染による敗血症では、通常は上昇しません。正しくは:真菌感染症で上昇します。選びやすい理由:感染症のマーカーとしてよく耳にするため、深く考えずに他の選択肢と同様に細菌性敗血症でも上昇すると誤解しやすいです。混同注意:エンドトキシン(グラム陰性菌)やマンナン抗原(カンジダ属、アスペルギルス属)など、他の病原体由来のマーカーと混同しやすいです。特にエンドトキシンは微生物由来の成分である点で共通するため、間違えやすい可能性があります。
国試ポイント
細菌性敗血症と真菌性敗血症の診断マーカーを明確に区別できるか、特に各マーカーがどの病原体(細菌、真菌、ウイルスなど)に特異的であるか、または強く関連しているかを問う問題です。基本的な感染症診断マーカーの知識が求められます。
混同注意
細菌感染と真菌感染の診断マーカーの区別、特にエンドトキシンと(1→3)-β-D-グルカン。また、CRPやプロカルシトニンといった一般的な炎症マーカーと、より特異的な感染症マーカーとの関連性を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点で出題された場合、各マーカーが対象とする病原体の種類(細菌、真菌、ウイルス)とその病態(感染症の種類、炎症反応の有無、重症度)を正確に判断できるかを確認します。特に、近年注目されているプレセプシンのような新規マーカーについても知識を問われる可能性があります。
関連知識
細菌感染症:グラム陽性菌、グラム陰性菌、リポ多糖(LPS)、プロカルシトニン、プレセプシン、CRP、白血球数、好中球エラスターゼ。真菌感染症:カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、β-D-グルカン、マンナン抗原、ガラクトマンナン抗原。ウイルス感染症:インターフェロン、NK細胞。